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8月21日付 編集手帳

 昔、見渡す限りの湖と、その真ん中に信夫山(しのぶやま)があった。山には吾妻おろしが吹きつけていたため、吹島(ふくしま)と呼ばれるようになった――。「福島」という名の確たる由来は不明のようだが、県のホームページには、そんな説が紹介されている◆長い歳月を経て湖が干上がり、そこに集落が生まれた。風をきらって「吹」を「福」とし、福島と呼ぶようになった…と続く。伝説集「信夫伊達風土記」の記述という◆21日は「福島県民の日」である。1876年(明治9年)の今日、当時の福島県と若松、磐前(いわさき)の両県が合併して、ほぼ現在の形になった。〈県民が心を合わせて、より豊かな福島県を築き上げることを期する日〉と、県民の日条例第1条に(うた)っている◆ホームページには地域ごとに記念行事の案内などもある。だが、その中に赤字で〈相双地域・いわき地域はありません〉。福島第一原発の南北に位置する沿岸地域だ。理由は説明を要しまい◆吾妻おろしもかすむ災厄の中で、自宅に戻ることができず、避難先で県民の日を迎える人たちの苦しさを(おも)う。条文にある「県民」の文字を「国民」と読み替えたい。

2011年8月21日01時18分  読売新聞)

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