
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48820 Content-Type: text/html ETag: "fe6c6-166b-3d7e6d80" Expires: Sat, 20 Aug 2011 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 20 Aug 2011 01:21:40 GMT Connection: close
![]() 「放射線」を学ぶ 基礎知識の習得で偏見なくせ(8月20日付・読売社説)東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、福島県からの避難者がいわれなき差別や偏見に苦しむ出来事が相次いだ。 関東地方の小学校では福島からの転校生がクラスメートから仲間はずれにされ、不登校になった。首都圏のガソリンスタンドでは、福島ナンバーの車が給油を拒否された。 放射能が人に感染するという誤解に基づく心ない行為だ。基礎的な科学知識の欠如で人を傷つけることは看過できない。放射線教育の充実を図ることが急務だ。 そもそも今回の原発事故が起きるまで、放射線についてよく知らなかったという人が多いのではなかろうか。背景には、放射線教育の30年に及ぶ空白がある。 1960〜70年代は中学校で教えられていたが、「ゆとり」路線が敷かれた80年代以降、学習内容が削減される中で、教科書から放射線の記述は消えた。 それが30年ぶりに復活することになった。来春から完全実施される中学の新学習指導要領が、ゆとり教育の反省から学習内容を大幅に増やしたためである。 今回の原発事故前に決まっていたとはいえ、子供やその保護者らが正しい知識を身につけるきっかけにしたい。 放射線は大量に受けると人体に悪影響が及ぶ。危険な印象もあるが、使いようによっては、レントゲンやがん治療など役に立っている例もある。宇宙や大地などからの放射線もあり、人は日常的にある程度の放射線を浴びている。 こうした知識は、福島県民や福島からの避難者に対する偏見を解消し、過度な不安による風評被害を防ぐことにつながろう。 放射性物質が放射線を出す能力の強さを示す「ベクレル」、放射線を浴びた際の人体への影響を表す「シーベルト」といった単位の意味を教え、日々のニュースを理解する力を育むことも大切だ。 事故の教訓を踏まえ、避難時の留意点や放射線からの身の守り方を具体的に指導しながら、原発の安全確保の重要性について考えさせる機会も作ってもらいたい。 ただ、多くの教師は放射線の授業をした経験がない。教師対象の講習会には参加希望者が殺到している。文部科学省は教育委員会や大学と協力し、研修の場をできるだけ多く設ける必要がある。 文科省は現在、放射線教育の副読本を作成しており、来月にも全国の小中高校に配布する予定だ。指導を助ける教材の開発にも継続的に取り組んでほしい。 (2011年8月20日01時29分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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