HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 19 Aug 2011 21:08:36 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:被災地の選挙 復興へ良き道しるべに:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

被災地の選挙 復興へ良き道しるべに

 延期されていた大震災被災地の選挙が本格化する。選挙は地方自治の根幹であり、自治は復興への道しるべだ。なお年末まで再延期される選挙もある。被災地の自治を早く、強く復活させたい。

 被災地の地方選挙は四月の統一地方選を中心に特例法で九月二十二日まで延期された。六月以降、徐々に実施され、九月十一日までに八割近くが終わる。残る十六件は選挙日が未定のままで、改正特例法により年末まで再延期される。

 被災自治体で唯一町長が死亡した岩手県大槌町の町長・町議選は二十三日に告示、二十八日に投開票される。大津波にのまれた役場庁舎の解体もできず、復旧は遅れがちだ。「復興へ向かうためにも早くリーダーを」と町民の声は高まっていた。

 所在不明の町民は当初、三千五百人を数えた。義援金や仮設住宅の申請、合同慰霊祭での記帳を基に地道な確認作業を続け、有権者の約九割、一万千三百人余まで把握できた。全国各地の自治体からの応援部隊を合わせた人海作戦のたまもので、労をたたえたい。

 公職選挙法は投票当日、住民票所在地での投票しか認めておらず、仮設住宅の最寄りでは投票できない人も多い。特例で投票を可能にしてもいいのではないか。町は各仮設住宅と役場仮庁舎を結ぶバスを走らせ期日前投票を促す。

 町長選には元町総務課長と元町議が出馬を予定する。従来のような選挙活動はできないが、訴えを自粛する必要はない。復興を大いに論じ合ってほしい。選挙がその第一歩となるはずだから。

 政令指定都市の仙台市議選はきょう告示される。被災者が転居したため選挙区が変わり、これまで支持してきた候補に投票できないケースがあるという。一方で宮城県議選は、石巻市に使用できない投票所が多いため再延期され、これまで統一選で連動してきた両選挙の構図は様変わりしそうだ。

 原発事故が収束しない福島県は県議選など十件の日程が未定だ。役場機能を埼玉県加須市に移した双葉町は、町民約七千人が北海道から沖縄県までに避難している。町議選が年内に実施されれば、避難先で投票する不在者投票が主体とならざるを得ない。

 従来通り五日間の選挙期間で候補者の政見が周知できるのか、投票用紙は行き渡るのか、心配だ。告示日の前倒しなど柔軟な対応が必要だ。できるだけ投票率の低下を防ぎ、民意の反映を高めるため国も支援を惜しまないでほしい。

 

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