HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48364 Content-Type: text/html ETag: "1004ba-165f-dc706ac0" Expires: Wed, 17 Aug 2011 21:22:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 17 Aug 2011 21:22:08 GMT Connection: close 泊原発営業運転 電力危機回避の一歩にしたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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泊原発営業運転 電力危機回避の一歩にしたい(8月18日付・読売社説)

 定期検査で3月から調整運転を続けていた北海道電力の泊原子力発電所3号機が、ようやく営業運転に移行した。

 高橋はるみ道知事が容認した。東京電力福島第一原発の事故後、原発の営業運転再開は全国で初めてだ。

 高橋知事が政府に対し、徹底した安全対策を求めたうえで、決断したのは妥当である。政府と北海道電力は、引き続き、泊原発3号機の安全運転に全力を挙げねばならない。

 泊原発3号機は、大震災前の1月に定期検査に入り、3月7日に調整運転を開始していた。試運転に相当するもので、通常なら1か月程度で営業運転に移行する。

 しかし、福島原発事故の影響で政府の原子力政策が迷走し、原発への不信感が高まった結果、調整運転期間は5か月間以上に及んでいた。異例の事態と言えよう。

 局面を打開するため、政府は、営業運転の前提となる経済産業省原子力安全・保安院の最終検査に加えて、内閣府原子力安全委員会にも意見を求める「ダブルチェック」を打ち出した。

 定期検査の終了の判断に関し、道と地元自治体の了承を得るという特別な手続きを踏んだのも、やむを得なかっただろう。

 泊原発3号機は、調整運転中もフル稼働状態で送電していた。営業運転への移行は、現状の追認であって実質的な変化はない。

 それにもかかわらず、地元の同意を得るまでに相当の時間がかかった。原発再稼働へのハードルの高さを示している。

 今後の焦点は、定期検査などで停止中の原発に、運転再開への流れが広がるかどうかである。

 全国の原発54基のうち、泊原発3号機など稼働している15基も、来春までにすべてが定期検査のため運転を停止することになる。

 政府は、原発が想定以上の地震や津波に襲われた場合の安全性を確認するストレステスト(耐性検査)を2段階で実施する。

 定期検査を終えた原子炉については、重要機器に絞った1次評価によって、再稼働の可否を判断するルールが決まっている。

 一時、再稼働寸前にこぎつけた九州電力玄海原発の2、3号機も、地元の佐賀県などの、政府と九電に対する強い不信感から、再稼働の見通しは立っていない。

 政府は、ストレステストを早急に実施することで原発の安全性を確認し、地元自治体の理解を求めるべきだ。原発を再稼働させて電力危機を回避する責任がある。

2011年8月18日01時19分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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