HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48104 Content-Type: text/html ETag: "d04c8-1629-d59aef40" Expires: Wed, 17 Aug 2011 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 17 Aug 2011 01:21:40 GMT Connection: close GDPマイナス 安定成長への道のりは険しい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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GDPマイナス 安定成長への道のりは険しい(8月17日付・読売社説)

 震災で失速した景気が上向いてきたのは確かだが、円高や電力不足など逆風も強まっている。

 政府・日銀は気を緩めず、しっかり対応してもらいたい。

 今年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で1・3%減となった。景気後退のサインとされる、3四半期連続のマイナス成長である。

 だが、これは震災による一時的な生産の減少が主因だとして、エコノミストの多くが7〜9月期のプラス成長を見込んでいる。

 民間企業は「現場力」を総動員して、震災で寸断された部品の供給網を急ピッチで修復している。日本の「モノ作り」の底力で、景気の底割れは回避できそうだ。

 ただし、持続的な安定成長への道のりは険しい。

 1ドル=76円台の超円高が続いている。主要な輸出先である欧米諸国の経済も、財政危機をきっかけに減速し始めた。

 円高と海外の景気悪化というダブルパンチに見舞われれば、復調してきた輸出にブレーキがかかる。企業には大きな打撃だ。

 まずは、日本経済の実力以上に進んだ円高の是正を急ぎたい。政府・日銀は為替市場の動向を注視し、日米欧による協調介入の実現を図るべきだ。

 民間の苦境をよそに、政府の政策対応はもたついている。

 エネルギー政策が迷走し、定期検査を終えた原子力発電所の再稼働にメドが立たない。電力供給に不安があれば、企業は設備投資に尻込みする。

 内需拡大が期待できる震災復興事業も、がれき処理などの復旧に手間取り、思うようには進んでいない。政府はもっと危機感を持って、景気を最優先した政策運営を進めるべきだ。

 法人税率の引き下げや環太平洋経済連携協定(TPP)への参加など、中長期的な成長戦略も足踏みしている。

 国内産業の空洞化で日本経済が衰退することのないよう、政府は積み残した課題を着実に解決していかねばならない。

 物価も気がかりだ。総合的な物価動向を示すGDPデフレーターの下落率は前年比2%を超えた。4月にプラスに転じた消費者物価も、新基準で算出し直したら2年4か月連続のマイナスとなり、デフレの深刻さが再確認された。

 デフレの克服には内外の需要拡大と、金融緩和の継続が欠かせない。政府・日銀は、デフレ対策に本腰を入れる必要がある。

2011年8月17日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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