HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48083 Content-Type: text/html ETag: "88a90-1647-d59aef40" Expires: Tue, 16 Aug 2011 23:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 16 Aug 2011 23:21:05 GMT Connection: close スマートフォン グーグル参戦で激化する市場 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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スマートフォン グーグル参戦で激化する市場(8月17日付・読売社説)

 スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話の市場争奪戦が、ますます激しさを増しそうだ。

 インターネット検索で知られる米グーグルが、米国の有名な携帯電話機メーカー、モトローラ・モビリティを買収すると発表した。125億ドル(約9600億円)もの巨費を投じる大型案件である。

 基本ソフトから携帯端末まで一体で手がける体制を築き、米アップルの爆発的ヒット商品「iPhone(アイフォーン)」に対抗する狙いだ。

 「グーグルフォン」が登場すれば、海外メーカーに押されている日本のスマートフォン市場に新たな旋風を巻き起こすだろう。モトローラ買収によるグーグルの事業展開に注目したい。

 グーグルは、スマートフォン向けの基本ソフト「アンドロイド」を世界の携帯端末メーカーに無料提供することで、携帯電話の事業を急拡大してきた。

 しかし、端末の開発を他社に委ねているため、操作性を大きく向上させられない難点があると指摘されていた。買収によって端末を自前で製造するようになれば、ソフトの特性をより発揮できる端末の開発も可能となるだろう。

 もう一つの狙いは特許対策だ。アップルなどのライバル企業が、グーグルのアンドロイドを搭載した携帯メーカーを相手に特許訴訟を繰り返している。

 歴史の浅いグーグルは、携帯関連の特許が少ない。技術力が高く多彩な特許を持つモトローラを買収することで、今後のスマートフォン開発を有利に進められると判断したようだ。

 小さな端末でパソコン並みの機能を持つスマートフォンは、携帯電話のイメージを劇変させた。

 2010年の出荷台数は世界で3億台に上り、5年後には3倍以上に拡大すると予想されている。画面に触れて操作する光景は、国内でもおなじみとなった。

 だが、国内業界のスマートフォンへの対応は遅れた。多くの人が手にしているのは欧米や韓国、台湾など海外メーカー製である。

 携帯端末の開発はこれまで、通信会社が主導し、国内の端末メーカーは「おサイフケータイ」や「ワンセグ」など日本固有の機能を優先してきたからだ。

 日本企業がスマートフォン市場で生き残るには、世界で通用する商品が必要だ。国内メーカーには薄型、防水、高精細液晶などを実現する技術力がある。その強みを生かし、巻き返しを狙いたい。

2011年8月17日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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