HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 16 Aug 2011 20:06:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:自転車の規制 安全は左側通行から:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

自転車の規制 安全は左側通行から

 自転車道や歩道を走る自転車の安全対策に警察庁は、一方通行規制の導入を決めた。歩行者との事故が増えるなかで、安全に道路を利用するための第一歩だ。自転車ブームだが、ぜひ守ってほしい。

 警察庁が導入する一方通行規制は、左側通行(車が進む方向)に進行方向を決めることで自転車や歩行者の安全確保を狙った。

 規制対象は、車道左側を幅二〜三メートル程度に柵などで区切って設置した自転車道と、自転車の通行が認められている歩道だ。双方とも自転車の安全な通行空間の確保を目的に整備が進められている。実際の規制は地域の実情に合わせ、早ければ年内にも施行する。

 国土交通省によると、例えば自転車道の整備で事故が26%減った。ただ、対面通行のため正面衝突の危険がある。対面通行は道幅がある程度必要で、整備の障害にもなっている。対象道路は全道路の一部だが、規制は事故防止と整備促進に役立つだろう。

 だが、一方通行標識を設置するだけでは事故は減らない。自由に通行する利便性も規制される。利用者の安全確保に役立つとの理解を得るため周知を徹底すべきだ。

 自転車は「車両」である。原則的に車道の左側を走らなければならない。道路交通法でそう定められているが、この基本的ルールがなかなか守られていない。

 右側通行の自転車は、左側通行の自転車と正面衝突や交差点での出合い頭事故の原因になる。特に出合い頭事故は自転車同士の事故の半数を超える。ルールを守っている利用者にとっては大きな迷惑だ。規制は、利用者が左側通行ルールを身に付ける機会になる。

 歩行者の安全を考えると、実は自転車の歩道走行自体が問題だ。歩道走行は例外で、原則的に禁止なのだが周知されていない。

 一九六〇年代に交通戦争と呼ばれ事故が多発したことを受け、自転車の歩道走行を認め、そのまま定着してしまったからだ。

 最近は高齢者など歩行者との事故が増えている。警察庁によると、二〇一〇年の事故件数二千七百六十件は、その十年前より約五割増えた。死亡事故もある。自転車道や、車道脇に設ける自転車レーンなどの整備を続け、将来的には歩行者・自転車・車を分けることが重要だろう。

 利用者にできることはルールを守ることだ。自身や周囲の人たちの身を守るために、まず左側通行を実践しよう。

 

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