HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47477 Content-Type: text/html ETag: "f1a05-12ba-64e52400" Expires: Sun, 14 Aug 2011 23:22:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 14 Aug 2011 23:22:05 GMT Connection: close 8月14日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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8月14日付 編集手帳

 一升瓶の中の玄米を棒でザクザクと()く。戦時中や終戦直後の映像に見る苦労を体験してみた。この単調な作業を何時間続けて、配給米を白米にしたのだろう◆拝んで分けてもらった(くず)イモを詰めたという、リュックと風呂敷包みも抱えてみた。合わせて5貫(約19キロ)。主婦の買い出し体験記から再現したそうだ。担げることは担げるが、遠方まで持ち帰る自信はない◆靖国神社に近い東京・九段の「昭和館」で、〈戦後復興までの道のり/配給制度と人々の暮らし〉と題した特別展を開催中だ。順路の最後に、必需品が手に入らぬ状況の大変さを、わずかながら身をもって味わえる◆昭和26年に電力会社が貼り出したポスターもあった。週に2〜3日の計画停電を行う、との告知である。見る人の多くが〈戦中・戦後〉の展示物の一つ一つを〈災中・災後〉と引き比べることだろう。今回の大震災をも(しの)ぐ苦境を、日本人は乗り越えてきたのだ――そう思うと勇気づけられる◆あすは終戦の日。神社や寺に赴き、〈この災厄も必ず乗り越えてみせます〉と胸の中で誓いつつ、苦難に耐えた世代に手を合わせたい。

2011年8月14日01時19分  読売新聞)

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