HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49017 Content-Type: text/html ETag: "1002aa-163b-b3eef2c0" Expires: Mon, 08 Aug 2011 01:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 08 Aug 2011 01:21:05 GMT Connection: close 汚染がれき 避難民帰宅へ法の穴を埋めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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汚染がれき 避難民帰宅へ法の穴を埋めよ(8月8日付・読売社説)

 東京電力福島第一原子力発電所周辺の避難住民が帰宅できるようにするには、放射性物質に汚染されたがれきを処理することが必要だ。

 ところが、放射性物質に汚染された廃棄物は、廃棄物処理法の対象外となっている。汚染がれきの処理を規定する法律はない。

 民主党は、自民、公明両党と協議したうえで、汚染がれきを処理するための特別措置法案を近く、国会に提出する方針だ。

 この問題について、与野党の見解に大きな隔たりはないという。新法を今国会で成立させ、汚染がれきの処理を迅速に進めていくべきである。

 特措法案は法の穴を埋めるものだ。政府が、汚染がれきを直接処理することを柱としている。

 具体的にはまず、環境相が対象地域を指定し、処理計画を策定する。指定地域の汚染がれきは、環境省主導で焼却や埋め立てなどを実施する。処理に要した費用については、東電に支払いを求める、というものだ。

 指定地域は第一原発から20キロ圏内の警戒区域や、その周辺の計画的避難区域が想定される。

 放射性物質に汚染されたがれきの焼却や埋め立ては、一般のがれきと比べ、技術的にも難しい面がある。行政機能がまひした第一原発周辺の自治体が独自に処理するのは、現実的に無理だ。

 政府が前面に出て、汚染がれきの処理方法に知恵を絞り、作業を進めるのは当然のことである。

 避難した住民が元の生活に戻るためには、汚染がれきの撤去とともに、土壌の汚染除去を確実に行うことが欠かせない。放射能汚染を想定していないという点では、土壌に関する現行法も同じだ。

 特措法案は、汚染土壌の除去についても、国がかかわっていく規定を設けている。

 指定地域外のがれきや土壌であっても、放射性物質の量が一定基準を超えれば、国が処理できる規定も盛り込まれる見通しだ。

 その基準は、新法成立後に策定される。混乱が生じないよう周知徹底を図る必要がある。

 今後の最大の難題は最終処分場の確保だろう。

 環境省は、第一原発周辺の汚染がれきや土壌については、原則として福島県内に埋め立て処分する方針だが、県側は処分場建設に強く反対している。

 政府にとって何より重要なのは、処分の具体的方法や安全対策などを丁寧に説明し、地元の理解を求めていくことである。

2011年8月8日01時19分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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