HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49046 Content-Type: text/html ETag: "cf71d-166c-3a855f00" Expires: Fri, 05 Aug 2011 02:22:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 05 Aug 2011 02:22:11 GMT Connection: close 子ども手当廃止 与野党協調への足掛かりだ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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子ども手当廃止 与野党協調への足掛かりだ(8月5日付・読売社説)

 民主党が政権公約(マニフェスト)で掲げた大看板を、ようやく下ろすことになった。

 民主、自民、公明3党の幹事長と政調会長が、子ども手当を事実上、廃止することで合意した。

 遅きに失した感はあるが、赤字国債の発行を可能にする特例公債法案の成立へ、ハードルを一つ越えた。民主党執行部は、党内をしっかり取りまとめ、早期成立へ一層努力すべきだ。

 子ども手当は、最終的には中学生までの全員に対し、月2万6000円を一律支給する構想で、完全実施されると年に5・5兆円が必要になる。

 現在は半額の支給にとどまっているが、それを続けることさえ困難だった。最初から財源の裏付けを欠いた無理な政策であり、加えて、東日本大震災で巨額の復興財源が必要になった以上、廃止するのは当然である。

 合意によると、現行の子ども手当の根拠となる「つなぎ法」が切れる今年10月からは、来年3月までの特別措置法で対応する。

 10月からの支給額は、3歳未満の全員と3〜12歳の第3子以降が月1万5000円、3〜12歳の第1、2子と中学生に対しては月1万円となる。

 来年度以降は、児童手当法を改正し、所得制限も復活させる。子ども手当が大原則としていた一律支給をやめ、自公政権時代の児童手当の仕組みを拡充する形だ。

 子育て家庭の経済事情や子どもの数を考慮し、より必要な家庭に手当を重点配分することは、少子化対策としても経済対策としても有効であろう。

 合意に基づいて制度を再設計すると、年に5000億円程度を復興に回すことができる。現実的な方向転換である。

 所得制限の具体的な内容など詰め切れていない点は残るものの、社会保障政策の柱の一つで与野党が合意した意義は大きい。

 民主党の岡田幹事長は、子ども手当の理念は貫かれていると強弁する。マニフェストを(かたく)なに守ろうとする党内の“原理主義者”の反発を意識したのだろう。

 だが、菅首相も岡田幹事長もマニフェストの破綻を認め、国民に謝罪したはずだ。安易に迎合しては将来に禍根を残す。

 民主党は、子ども手当以外のばらまき政策も、抜本的に見直すべきだ。それが、建設的な与野党の協力を推し進めることになる。

 この現実路線を「ポスト菅」政権にも引き継がねばならない。

2011年8月5日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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