
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48894 Content-Type: text/html ETag: "addac-166c-595b7180" Expires: Thu, 04 Aug 2011 02:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 04 Aug 2011 02:21:09 GMT Connection: close
![]() ムバラク公判 民主政権樹立への通過儀礼だ(8月4日付・読売社説)独裁体制を清算し、民主化を進めるため、過去の断罪は必要である。 民衆の反体制デモにより、30年に及ぶ独裁体制が崩壊したエジプトで、ムバラク前大統領に対する裁判が始まった。800人以上の死者を出したデモ弾圧の責任と不正蓄財が問われている。有罪となれば、最高刑は死刑である。 初公判の模様はテレビを通じて世界に流れた。「現代のファラオ」と呼ばれた権力者が特設法廷の 中東では、外国が関与したイラクのフセイン元大統領などの例を除けば、独裁者が自国の法廷で裁かれるのは初めてだ。歴史的な裁判といえる。そして、エジプトが民主化に向けて、通過しなければならない節目でもある。 エジプトでは独裁崩壊後、軍の最高評議会が暫定的に統治を担っている。軍は当初、ムバラク前大統領の出廷には消極的だった。かつての最高司令官を辱めることになるからである。 それでも公判に踏み切ったのは、軍に向き始めた批判をかわす必要があったためだ。 評議会の最大の任務は、改革を遂行して、早期に民政移管を実現することにある。 最近、評議会は9月に予定していた人民議会(国会)選挙の延期を表明した。大統領選の年内実施も危ぶまれている。若者らは、改革の遅れや旧政権幹部に対する追及の甘さに不満を募らせ、再びデモを繰り返していた。 旧体制下で、軍はさまざまな特権を享受してきた。「権力の座に居座り続けるつもりはない」としているが、改革の行方が不透明になれば、軍の意図を疑う声が出てくるのも当然だ。 評議会にはほかにも、取り組むべき課題がある。治安の回復と経済の立て直しである。 政変後のエジプトでは、サラフィ主義者と呼ばれる超保守的イスラム教徒集団が、キリスト教の一派である少数派のコプト教徒を襲う事件が起きている。 政変で権威を失墜した警察は、治安の悪化に対応できていない。主要産業の一つである観光の不振にもつながっている。 政変後、権利の要求に目覚めた労働者のストが相次ぎ、経済活動もマヒしている。 エジプトは今後、民主的な選挙を実施し、軍の政治への関与を薄めていく必要がある。それが、現在の混乱から脱する道である。 (2011年8月4日01時27分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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