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8月2日付 編集手帳

 憂いを忘れる、と書いて「忘憂」は、酒の異称でもある。中国の詩人、陶淵明が『飲酒詩』のなかで酒を「忘憂の物」と呼んだことに由来するという◆つらい出来事、嫌な記憶は早く忘れるに限る――とばかりに四季を問わず「忘憂」のお世話になっている身には、少々きまりの悪い写真をヨミウリ・オンラインで見た。夏の甲子園に2年連続の出場を決めた秋田県代表・能代商の室内練習場である◆能代商は昨年の夏、初戦で鹿児島実業(鹿児島)に「0対15」の惨敗を喫した。そのイニングスコアが、横断幕のように練習場の壁に貼られている◆悔しさを雪辱の糧とするためという。痛恨の出来事を目に焼き付け、胸に刻む。忘憂ならぬ“刻憂”かも知れない。思えば、日本人一人ひとりが“刻憂”のなかにいる。6日の開幕に向けてきのう、49代表が出そろった。いつもながらの、そして、いつもとはほんの少し何かが違う夏の甲子園になることだろう◆小欄も「忘憂」の器をしばし遠ざけて能代商ナインを見習い、出来の芳しくなかった記事を職場の壁にでも貼ってみようか…。候補が多くて、ちょっと迷う。

2011年8月2日01時39分  読売新聞)

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