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8月1日付 編集手帳

 アリはみな働き者だと思っていたが、実際はそうでもないらしい。巣の中にいる働きアリの7割ほどは特に何もしていない「休憩中」で、1か月以上観察を続けると、2割が「ほとんど働かない働きアリ」だったという◆進化生物学者の長谷川英祐氏が、著書の「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書)で紹介している。働かないアリという「余力」が、巣穴が壊れるなどの緊急時への備えとして、重要なのだそうだ◆働き者を尻目にさぼっている“昼あんどん”のアリも、いざという時には大活躍する。個性の違うアリが役割を分担して、組織全体の繁栄を支えているさまは、人の社会のようでもある◆今の日本はどうかと言えば、政治が役割を果たしていないという不満が日ましに強まっている。経団連の米倉弘昌会長は、「日本には、本当の政治家ではなく、政治をなりわいにしている人がいるだけ」と、手厳しい◆震災や原発事故への対応は待ったなしだが、肝心の政策は足踏みが続いている。いざという時に「働かない政治」には、「働かないアリ」のような意義を見いだすのは難しい。

2011年8月1日01時26分  読売新聞)

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