HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47518 Content-Type: text/html ETag: "f5e95-1206-6913ed00" Expires: Thu, 28 Jul 2011 21:21:48 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 28 Jul 2011 21:21:48 GMT Connection: close 7月28日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


現在位置は
です

本文です

7月28日付 よみうり寸評

 事故車両を粉々に砕いて穴に埋めたかと思うと、翌日には掘り起こし、運び出した。後には残った金目のものを探して住民が群がった◆中国浙江省温州で起きた高速鉄道の衝突、脱線大事故は、その後もびっくり、仰天、唖然(あぜん)、不可解……の数々が続いている◆救助活動を打ち切った後に追突された列車から2歳の女児が救出された。原因究明のないまま、早くも犠牲者1人の遺族に50万元(約600万円)の賠償金が提示された。賠償金には、早く応じた者への「奨励金」?が含まれているという◆〈中国について考えるとなにか脈絡のない無限の事実の中に溺れそうだ〉――今回の事故処理について数々の不可解に首をかしげながら、この一節を思い出した◆〈中国考現学・辻康吾著〉にある。中国を理解する難しさに同感する。復旧や賠償を急ぐのは幕引きを早めたいのだろう。が、〈臭いものにふた〉が露骨に過ぎる◆遺族の怒りに〈ガス抜き〉は認めているようだが、事故原因の徹底究明なしに高速鉄道のあすはない。

2011年7月28日14時26分  読売新聞)

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です