HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 28 Jul 2011 20:07:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:河口から逆流した津波が、荒れ狂いながら家々をのみ込んだこと…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 河口から逆流した津波が、荒れ狂いながら家々をのみ込んだことが夢の中での出来事のように、大河は穏やかな表情をたたえていた。校長との約束を守り、作文指導をするために、宮城県石巻市の北上中を再訪した▼校舎は北上川を見下ろす丘に立つ。はるか対岸に生徒と教員八十四人が犠牲になった大川小が見える。北上中は生徒九十七人中一人が不明になり、四十七人の自宅が全半壊した。畠山卓也校長も家を失った▼当初、学校が避難所だったこともあり、震災の影響がない地域と比べると学習の遅れが目立った。県立高校の受験には、二百字の作文が課される。文章力アップに少しでもお役に立てば、と気楽に引き受けてしまった▼作家の井上ひさしさんの言葉を借りて、作文を書く際の心構えなどを話した。二十八人の真剣なまなざしにたじろぎ、しどろもどろになってしまったのが情けない▼実際に入試に出た「私の宝物」「最近、最も感動したこと」などをテーマに作文を書いてもらった。持ち帰って一人一人添削して送り返した▼母親を亡くした女子生徒の作文には「私が第二の母となって天国にいる母といっしょに家族を支えていきたいです」とあった。家族や友達に支えられて生きていることへの感謝、あいさつを大切にしたいと書く生徒も多かった。勇気づけられたのはこちらの方だった。ありがとう。

 

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