HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 26 Jul 2011 03:07:11 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:きょうは映画でも見ようか、とインターネットで検索を始めると…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2011年7月26日

 きょうは映画でも見ようか、とインターネットで検索を始めると、壁にぶつかることがある。作品名が分かっていれば簡単だ。題名は思い出せない。昔の名画がどこかで上映しているはずだ、と探してみると、見つからない▼途中でくじけて、もう映画はやめた、寄席に行く、となることも多い。こんな時、よく思ったのは情報誌「ぴあ」が手元にあれば…。網羅的に情報を提供する紙の媒体の魅力も捨てがたい。そんなことを考えていたら、「ぴあ」首都圏版が二十一日発売号を最後に休刊するという報(しら)せに接した▼関西と中部版はすでに休刊していて、雑誌のぴあは三十九年の幕を閉じる。一時、五十万部を超えた部数は、ネット時代に入り六万部まで落ち込んでいた。情報提供はネットに完全移行するという▼「時代の役割を十分に全うした」(編集部)との判断だが、名画座の三本立てを「ぴあ」で調べ、かじりついた世代としては一抹の寂しさをぬぐえない▼「現代の浮世絵師」とも称される及川正通さんの表紙イラストも楽しみだった。三十六年間、描き続け、世界最長連載としてギネスブックにも掲載された▼最終号には一九七〇年代からの懐かしい表紙が一挙掲載されている。最も多く登場したのは、十六回の女優の広末涼子さんだ。思わずにやりとさせられるユーモアにあふれたあの表紙ももう見られない。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo