HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47758 Content-Type: text/html ETag: "504c5-1211-122cfa00" Expires: Sun, 24 Jul 2011 01:22:22 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 24 Jul 2011 01:22:22 GMT Connection: close 7月24日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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7月24日付 編集手帳

 英国の著名な犯罪科学者エルジンチリオールが、『犯罪科学捜査』(高林茂訳・三修社)に書いている。「話の筋書きがあらゆる証拠の糸によって支えられるならば、それを真理と信じる十分な根拠があると言える」◆指紋鑑定も、最新のDNA鑑定ですら絶対的なものではない。あらゆる角度から難問に挑むことが、科学捜査で真理に到達する方法だと。してみると今回の事件では、警察の証拠の糸の張り方が不十分だったと言える◆1997年、東京・渋谷で起きたOL殺害事件で犯人とされたネパール人受刑者とは別の男Xが、犯行現場にOLといた可能性を示す鑑定結果が出たという。OLの体から採取した精液のDNA型が、現場に落ちていた受刑者以外の体毛の型とぴたり一致した◆当時、この鑑定結果があれば、否認している受刑者の起訴に踏み切れただろうか。なぜ警察は証拠の糸を紡ぎ切れなかったのか、明らかにすべきだろう◆足利事件、布川事件に続いて重い再審の門が開くかどうかは、まだわからない。一方で強盗殺人罪の公訴時効は廃止になった。警察の仕事は増える。Xを捜すことだ。

2011年7月24日01時28分  読売新聞)

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