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7月23日付 編集手帳

 放送作家の高田文夫さんは学生だった20歳の頃、永六輔さんに弟子入り志願の手紙を書いた。便箋20枚の熱烈なものだったという。当時30代半ばの永さんから、短い文面の返信があった。「弟子はとりません。友達ならなりましょう」◆15年たったある日、売れっ子の放送作家となっていた高田さんのもとに、永さんから1枚のはがきが届く。「今からでも遅くありません。高田先生、是非共弟子入りを」。祝福の心をこめた15年後の追伸であったろう◆〈手紙というのは、こういうドラマが生まれるからいい〉。高田さんが自著で回想していた◆あなたのことは忘れていません――とは書いてなくとも、手紙をもらう喜びは相手が誰であれ、行間にこめられた無言の1行にあるのかも知れない。陰暦7月の別称・文月にフ(2)ミ(3)の語呂合わせで、きょう7月23日は「ふみの日」である◆旅先から「××にて」という絵はがきをもらうのもうれしい。おそらくは楽しくも忙しい旅程のなかで、自分のことを思い出してくれた人がいる、と。永さんが高田さんに宛てた15年後の手紙も、沖縄からであったという。

2011年7月23日01時42分  読売新聞)

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