HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 23 Jul 2011 03:10:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:マニフェストという言葉は、近年、すっかり日本語に定着したカ…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2011年7月23日

 マニフェストという言葉は、近年、すっかり日本語に定着したカタカナ語の一つだ。「政権公約」と注される▼従来の公約と違い、政策実現時期や財源なども併せて示すところが、みそ。元は船などの「積み荷の目録」を指すらしいが、どういう子細か、語源的には「現場を押さえられた」という意味のラテン語につながるという▼さて、民主党が政権奪取を果たした二〇〇九年総選挙のマニフェストに関し、昨日、菅首相と岡田党幹事長が「財源見通しが甘かった」などとして、不履行を相次いで陳謝した▼行政のムダ追放などで十何兆円かの財源を生むとしていたのに、実際、これまでに確保できたのはごくわずか。予定よりはるかに小さな船に目録通りの積み荷を積むのが無理なのは、既に明白だった。それこそ、国民に「現場を押さえられた」状況だったのだから、むしろ陳謝は遅すぎたぐらいだ▼それにしても、マニフェストとは妙なものだとあらためて思う。政党のマニフェストには何百項目が載るが、それを細大漏らさず実現しないと公約違反になるのだろうか。また、その党が選挙で勝つと、その何百という政策に国民が同意したことになるのだろうか▼西諺(せいげん)にも曰(いわ)く、<何もかも約束するものは、何も約束していない>。いっそ「必ずやる。できなければ責任をとる」という数項目に絞るのも手ではないか。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo