HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49016 Content-Type: text/html ETag: "ade44-1659-412a4200" Expires: Tue, 19 Jul 2011 20:22:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 19 Jul 2011 20:22:11 GMT Connection: close 夏休み過ごし方 被災地の経済と子供に支援を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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夏休み過ごし方 被災地の経済と子供に支援を(7月20日付・読売社説)

 夏本番というのに、東北地方の太平洋岸にある多くの海水浴場は閑散としていて、泳ぐ人の姿も見られない。

 とても海開きどころではないためだ。がれきが海底に残っている。地盤沈下で砂浜が消滅したところもある。福島県では、福島第一原子力発電所の事故が影を落としている。

 岩手、宮城、福島の3県内では、1万8000人が避難所で生活を送っている。猛暑の中、やりきれない思いでいる人々は多い。

 この夏、そんな被災者の力となる過ごし方を、考えてみてはどうだろうか。観光やボランティアで訪ねてみるのもいい。被災地への理解を深める機会にもなろう。

 震災後、東北や関東の観光地は、自粛ムードと風評被害により、訪れる人が激減した。

 しかし、被災地を励ましたいという熱い思いを多くの人々が持っているのは確かだ。今月16、17両日、仙台で開催された東北六魂祭は、予想を大きく上回る36万人もの人出があって、にぎわった。

 これから各地で夏祭りの本格シーズンを迎える。東北では盛岡さんさ踊り、仙台七夕、青森ねぶた……。復興に向け、地域の祭りを成功させようと、それぞれの主催者は意気込んでいる。

 全国から観光客が訪れれば、街はにぎわいを取り戻し、地元経済も活性化するに違いない。

 東京都は、被災地応援ツアーの助成金として、1億5000万円の予算を組んだ。都民が岩手、宮城、福島の3県に宿泊する場合、1泊3000円を補助する方針で具体策を検討中だ。こうした支援の輪をさらに広げていきたい。

 今年は被災地を中心に、夏休みの短縮を余儀なくされている学校も少なくない。震災の影響で、1学期の始まりが遅れたためだ。例えば宮城県では、小中学校の55%が夏休みを短縮する。

 一方、福島市では逆に夏休みを1週間延長する。放射線を気にして窓を閉めて行う授業は、暑さの中では極力避けたいためだ。

 宮城教育大学は、全国の教員養成大学にも呼びかけて、学生ボランティアを被災地に派遣する。子供たちの自学自習の指導などに当たるという。

 野外でのびのびと遊べるような環境ではなく、プールも使用できない。そんな被災地の子供たちのために、全国から自然体験やキャンプへの招待も相次いでいる。

 震災で傷ついた子供たちが安らぎ、元気をとり戻せるような夏休みにしたい。

2011年7月20日01時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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