HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47656 Content-Type: text/html ETag: "ade32-128d-5bb06b40" Expires: Tue, 19 Jul 2011 21:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 19 Jul 2011 21:21:45 GMT Connection: close 7月20日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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7月20日付 編集手帳

 ラジオの深夜番組に初めて登場したときの第一声は、ご本人によれば以下のようであったという。「独りぼっちでいる時のあなたにロマンチックな明かりをともす便所場の電球みたいな、桂三枝です…」◆1967年(昭和42年)、当時はまだ無名の23歳である。やがて、テレビ番組の司会や『ゴルフ夜明け前』などの創作落語で人気者の座を不動にし、「便所場の電球」が上方お笑い界を皓々(こうこう)と照らすシャンデリアになっていく過程に説明は要るまい◆桂三枝さん(68)が上方落語の大名跡「桂文枝」六代目を襲名するという◆顔と芸と名前が混然一体となった人だけに、襲名の発表には戸惑ったファンも多かったろう。三枝さんも以前から悩んでいたようで、昨年、立川談志さんにだけ内々に相談したところ、「せっかく三枝の名を大きくしたのだから…」と反対された。今回の決断には、談志さんから「勝手にしろ 三枝のバカヤロウ」とファクスが届いたという◆「文枝」襲名を機に、寿命の長いLED電球となって上方落語に先々まで明かりをともせれば、心のこもった励ましの罵声を身に浴びた甲斐(かい)もある。

2011年7月20日01時10分  読売新聞)

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