HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49485 Content-Type: text/html ETag: "a62b8-1625-ab75f500" Expires: Tue, 19 Jul 2011 03:22:12 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 19 Jul 2011 03:22:12 GMT Connection: close なでしこ世界一 日本中を元気付けてくれた : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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なでしこ世界一 日本中を元気付けてくれた(7月19日付・読売社説)

 「なでしこ」が見事な花を咲かせた。日本のサッカー史上、ひときわ輝く快挙である。

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)決勝で、日本は米国をPK戦の末に破り、初優勝を果たした。

 「小さな娘たちが本当に粘り強くやってくれた」。佐々木則夫監督は、選手をそうたたえた。早朝のテレビ中継を見て歓喜した人たちも、同じ思いだろう。

 試合後、選手たちは世界中から寄せられた東日本大震災への支援に感謝する横断幕を掲げ、場内を一周した。

 被災地からは「私たちも頑張らなくては、という気持ちになった」という声が上がった。日本全体を元気付ける「なでしこジャパン」の奮闘だった。

 それにしても、彼女たちの強い精神力には驚かされる。

 準々決勝では、これまで一度も勝ったことのなかった開催国ドイツを、ホームの大声援をはね返して撃破した。

 決勝では、やはり過去未勝利だった世界ランキング1位の米国に2度、リードされながらも追いついた。PK戦を前に見せた選手たちの笑顔からは、たくましさが感じられた。

 体格で勝る相手でも、最後まであきらめずに勝利をもぎ取った。フェアプレー賞も受賞した。

 1991年に始まった女子W杯は、五輪と並ぶ女子サッカー最高峰の舞台だ。4年に1度開催され、日本はこれまで6大会すべてに出場してきた。95年大会でベスト8に入ったが、それ以外は決勝トーナメントに進めなかった。

 日本の女子サッカーが強くなった原動力は、世界の壁にはじき返された悔しさだったろう。

 近年、女子でも海外のチームに移籍する選手が増えた。レベルの高いプレーの中でもまれ、力をつけた選手が日本代表に加わることで、海外組と国内組が競い合う。それが「なでしこ」のチーム力の底上げにつながったといえる。

 サッカーに打ち込む小学生や中学生の女子選手が増えている。沢穂希選手らの活躍を見て、「いつかは自分も」と誓った「未来のなでしこ」もいるだろう。

 W杯制覇は、日本女子サッカーの一層のすそ野拡大につながるに違いない。

 選手たちは休む間もなく、9月には来年のロンドン五輪のアジア最終予選に臨む。追われる立場になった「なでしこ」だが、ぜひとも勝ち上がり、五輪でも金メダルを手にしてもらいたい。

2011年7月19日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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