HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 17 Jul 2011 01:06:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし>。プロ野…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年7月17日

 <勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし>。プロ野球四球団で監督を務めた野村克也さんの名言だ。肥前・平戸藩の藩主松浦静山の剣術書からの引用らしいが、勝負ごとの本質を突いている▼相手のミスで偶然に勝つことはある。しかし負けには必ず原因がある。それを突き詰めなければ、同じ失敗を繰り返してしまうという意味だろう▼東京都の石原慎太郎知事はきのう、二〇二〇年に開かれる夏季五輪への立候補を正式表明した。被災地での一部競技の実施を検討するなど「復興五輪」を開催理念とするという▼「招致の戦いに挑む限り、勝たないと意味がない」と相変わらずの石原節だが、敗れた前回の五輪招致を本当に総括したのだろうか。最も重要な国内の世論は、東日本大震災の影響で前回よりも冷淡に思える▼開催地が決まるのは一三年九月で、招致活動ができるのは二年余り。その間に、原発事故が収束するとも思えない。実際の開催は七年先でも、放射能汚染に敏感な欧米各国の支持を得られるのか。一八年冬季の五輪開催地に韓国の平昌が選ばれたのも不利だ。残念ながら、負ける材料ばかり目に入る▼前回の招致費用の百億円を「痛くもかゆくもない」と言った人だ。積み立てた四千億円の基金も迷わずに使うのだろう。東京で「復興五輪」という大義名分が、被災地に届くとは思えない。

 

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