HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Thu, 14 Jul 2011 21:07:36 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:知事会の提言 国民の声と受け止めよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

知事会の提言 国民の声と受け止めよ

2011年7月14日

 全国知事会議は、福島第一原発事故の対応で菅直人首相に説明責任を果たすことを求める緊急提言を採択した。原発の是非をめぐっても議論百出した。これら知事の意見は、そのまま国民の声だ。

 提言では「原子力行政への国民の不信感はかつてなく高まっている」と指摘。安全基準や防災対策の強化、代替エネルギーの開発などを求めた。各都道府県民の声を代弁したものと受け止めたい。

 会議では、原発の再稼働をめぐる政府批判も噴出した。「事故を収束させてから再稼働の話がでるべきだ」(福島県の佐藤雄平知事)「首相自ら地元を説得する覚悟を」(石川県の谷本正憲知事)。もっともな話だ。

 原発の立地自治体は住民の安全確保のため、事業者の電力会社と任意の原子力安全協定を結んでいる。福井県との協定は運転停止を求める権利を明記し、無断で再稼働することも禁じている。

 国は新たに、ストレステスト(耐性評価)を再稼働の条件とした。このお墨付きが、協定に基づく事前協議にどう影響するのか。会議を通じて、矛盾や疑問を抱える知事の困惑がよく分かった。

 原発に近接する自治体からも電力会社に、協定締結の要請が相次いでいる。国にも、原子力安全委員会が防災対策重点地域(EPZ)とする半径十キロ圏内の拡大を要望している。福島県内の避難状況をみれば国民の不安は当然だ。

 七府県の関西広域連合が関西電力との協定を求めている。高浜、大飯原発(福井県)の二十キロ圏内にある京都府は地域防災計画の見直しで独自にEPZを拡大した。一方で「国が指針を出すべきだ」と“待ち”の立地自治体もあり、温度差は否めない。事実上、知事が原発の運転を拘束できるのだから、安全確保や防災対策をどう考えるのか、もっと発信すべきだ。

 私たちは、国策とはいえ原発の立地自治体が是非論を含めて話し合って提言すべきだ(六月十七日付社説)と呼び掛けた。全国知事会議では一部から、将来的には原発をやめる「卒原発」が提案され、議論が活発化した。国に遠慮する必要は何もない。フクシマの教訓でもある。

 「国に現実的なエネルギー政策がないため、国民が混乱している。立地県にとっても迷惑だ」。国内最多の原発を抱える福井県の西川一誠知事は言い切った。それぞれ地域事情はあるにせよ、地方現場の声にこそ、政府の対応が“正常化”するヒントがある。

 

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