HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 15 Jul 2011 03:06:39 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:なでしこ決勝へ 自分らしさ、磨けば:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

なでしこ決勝へ 自分らしさ、磨けば

2011年7月15日

 「そうだ、これでいいんだ」と思わずヒザをたたいた人も多かったろう。自分らしさを生かして、迷わず突き進む。そうすれば必ず道が開けるのを、「なでしこジャパン」は教えている。

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で、日本代表「なでしこジャパン」が決勝進出を果たした。一次リーグを勝ち抜き、準々決勝ではW杯を連覇中の地元ドイツを初めて下し、準決勝ではスウェーデンを逆転で倒した。これまでの日本女子の最高成績はW杯が8強、五輪が4強で、決勝進出は初の快挙。「なでしこ」が世界最高の舞台で巻き起こした旋風は、さらに勢いを増しながら新たな歴史を築きつつある。

 目を見張る快進撃は、なんといっても日本ならではの戦いが徹底されているからだろう。全員がよく走って前線からプレスをかけ、ボールを奪うと早いパス回しで相手守備陣を切り崩していく。速さと正確さ。最後まで走り抜く粘り強さと規律正しさ。チーム一丸でそうした意識を共有しているからこその好成績である。

 欧米の選手と比べると日本代表はかなり小さい。スウェーデンとは平均身長で十センチほども違っていた。高さやパワーの不足を嘆きたくなるところだ。だが、「なでしこ」はいささかも迷わず、自分らしい戦い、速くて勤勉なサッカーを磨き抜く道を選んできた。「当然の勝利」「決勝に出る資格がある」という各国メディアの高い評価が、その方向性の正しさを証明している。

 何にでも通じることだろう。世界を相手にするような厳しい戦いでは、どうしても自分たちが持っていないものに目がいく。そこで早々とあきらめてしまう場合もありそうだ。だが、まずは自分ができること、自分ならではの特性や持ち味を徹底的にとぎすましていくのもいい。それもまた突破口のひとつなのである。「なでしこ」の奮闘は、そのことをあらためて教えてくれている。

 決勝は十七日(日本時間十八日早朝)に行われる。これまで一度も勝ったことのない米国との対決となった。とはいえ勝負は互角とみていい。今大会の日本代表には、ひたすら自分らしい戦いに徹しようという愚直な決意があふれているからだ。勝敗はどうあれ、「なでしこ」の最終決戦には、困難を乗り越えて前進していくための貴重なヒントがたっぷりと詰まっているはずである。

 

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