HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48948 Content-Type: text/html ETag: "a44c4-1669-6b086f80" Expires: Sun, 10 Jul 2011 23:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 10 Jul 2011 23:21:41 GMT Connection: close 南スーダン独立 欠かせない南北協調と支援 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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南スーダン独立 欠かせない南北協調と支援(7月10日付・読売社説)

 不安な船出である。自力航行が出来るまで国際社会の支援が必要だ。

 アフリカ最大の国土を持つスーダンが9日、南北に分かれ、アフリカ54番目の独立国、南スーダン共和国が誕生した。

 スーダン国民は過去半世紀間、戦禍と飢えに苦しんできた。政権を独占する北部のアラブ人イスラム教徒と、差別されてきた南部の黒人キリスト教徒らが戦闘を繰り返してきたからだ。

 1983年からの第2次内戦では200万人が死亡、400万人が故郷を追われたとされる。

 苦難の歴史を考えれば、南部住民には待望の独立ではあろう。

 独立への道を開いたのは、2005年に調印された包括和平合意だった。内戦の当事者同士で6年間の共同統治を試した後、共存か分離かを決めるというもので、南部は今年1月の住民投票で、約99%が分離・独立を選んだ。

 だが、南北の国境に未画定部分が残っているのは、懸念材料だ。スーダンは産油国であり、主な油田が南北にまたがるため、その帰属が決まっていない。

 南スーダンは、油田はあっても、原油の輸送、精製、積み出しを北に頼らざるをえない。過去6年間は、南の油田から上がる収入を南北で折半する取り決めだった。だが、独立後の配分については、交渉が決裂したままだ。

 北のバシル政権は和平合意に反して、国境付近の油田地帯に軍を進駐させている。約束通り、国連平和維持活動(PKO)部隊の展開に伴って撤収し、平和的に国境を画定すべきである。

 南北スーダンは、互いに新たな協調関係を築き、自立していく必要がある。国際社会は、そのための支援を惜しんではなるまい。

 とりわけ中国には南北関係の安定化に努める責任がある。石油資源を狙い、非人道的政策をとるバシル政権を支えてきたからだ。

 南スーダンの独立にあたり、国連安全保障理事会は、この国の和平の維持と開発支援のため、新たに8000人規模のPKO展開を決めた。日本は、陸上自衛隊施設部隊の派遣を打診されている。

 南スーダンは上水道や道路など生活基盤が未整備のうえ、識字率が低く、人材も不足している。

 日本はこれまでも、国際協力機構(JICA)などがスーダン南部で、河川港の整備や農業支援にあたってきた。そうした協力の継続に加え、道路建設など国造りの一端も担う新規PKOへの参加も真剣に検討すべきだろう。

2011年7月10日01時26分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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