HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 07 Jul 2011 01:09:44 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:名古屋場所 再生の決意、土俵で示せ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

名古屋場所 再生の決意、土俵で示せ

2011年7月7日

 すべてはこれからだ。大相撲の名古屋場所は三場所ぶりの通常開催。ただ、これはスタートにすぎない。世の中の信頼、期待を取り戻せるかどうか、すべてはここからにかかっている。

 八百長発覚、力士らの大量追放というかつてない窮地に立たされた大相撲。前代未聞の出来事に、三月の春場所は中止となり、五月の夏場所は技量審査場所という変則な形をとらざるを得なかった。名古屋場所(十日初日)は半年ぶりの通常開催となる。相撲界には、やっと復活への道を歩み始めたという安堵(あんど)の思いがあるだろう。

 だが、これはまだ復活とも再生への一歩ともいえない。通常開催に戻りはしても、大相撲に対する世の中の信頼、信用は崩れたままだからだ。

 八百長発覚により二十五人もの力士、親方が処分を受け、追放された。監察委員会の態勢強化などの再発防止策が、五月の技量審査場所から実行に移された。さらに日本相撲協会は協会改革の工程表をつくり、文部科学省に提出している。とりあえず、形は整いつつあると言ってもいい。

 ただ、それはまだ、裏切られた思いでいるファン、相撲愛好者を納得させるだけのものにはなっていない。相撲界の体質そのものをどう変えていくか。その具体的な中身が見えていないのだ。

 大相撲の真の再生のために何が必要かといえば、それはまさしく角界の体質そのものの抜本的改革である。八百長や暴力などの不祥事を相次いで生んできたのは、一般社会とはかけ離れた閉鎖的、独善的体質だ。それを根底から変える姿勢をはっきり見せない限り、人気も信頼も戻らないだろう。

 高値がつき、さまざまな弊害の根源となってきたともされる年寄名跡の売買を禁止できるか。親方、力士をどう教育するのか。長く元力士だけで行ってきた協会運営を大きく変えるつもりがあるのか。それらの根本的課題に明快な答えを示さなければ、真の復活への道は見えてこないはずだ。

 これまでもしばしば見られたように、親方や力士の間には旧態依然たる意識が残っている。が、それではいつまでたっても何も変わらない。名古屋場所は、すべてはこれからにかかっているという強い決意と危機感を、関係者全員があらためてかみしめる機会とすべきだ。そして、まずはそれを白熱の勝負、充実の土俵で示してほしい。

 

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