HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 06 Jul 2011 20:09:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:復興相辞任 政治の不全が極まった:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

復興相辞任 政治の不全が極まった

2011年7月6日

 東日本大震災の復興をめぐり「知恵を出さないヤツは助けない」と発言した松本龍復興担当相が引責辞任した。菅直人首相に任命責任があるのは当然だ。政治の不全が極まったと言わざるを得ない。

 こんな茶番劇をいつまで見続けなければならないのか。あきれてものが言えないと感じる国民は多いのだろうが、諦めは政治の暴走を生むだけである。

 大震災からの被災地復興は、福島第一原発事故の収束とともに、菅内閣が最優先で取り組まなければならない最重要課題の一つだ。

 その要の復興相が、困難な状況に置かれている被災者の気持ちを逆なでするような発言を繰り返し、当初はその誤りを認めようとすらしなかった。閣僚として不適格であり、引責辞任は当然だ。

 むしろ、なぜ松本氏が復興相に就いたのか不思議なくらいだ。

 松本氏は達増拓也岩手県知事との会談で、防災担当相の任にあった震災発生からの三カ月間を「私はボーッとしていたけど大丈夫だった。みんなでやってくれた」と振り返った。

 部下を褒める意図があったにせよ、仕事をしなかったと公言するような人物をなぜ起用したのか。退陣を表明して求心力を失った首相の下では、松本氏以外に引き受け手がなかったのが真相だろう。

 松本氏自身も復興相への就任要請を一度は断ったことを明らかにしている。気の進まない就任だったのだろうと推測はするが、だったら初めから引き受けるべきではなかった。被災地への配慮を欠く発言による混乱は、国民の政治不信を増しただけである。

 後任には復興担当の平野達男内閣府副大臣が昇格した。職務の継続性や被災地の岩手県選出ということを重視した起用だという。

 とはいえ、仙谷由人官房副長官に就任を打診して断られたそうだから、今回も、平野氏以外に引き受け手がなかったのだろう。

 二〇一一年度第二次補正予算案、公債特例法案、再生エネルギー特別措置法案の成立を退陣条件とした首相には、今も続投を画策していると疑いの目が向けられる。しかし、不適格者の復興相起用や目玉閣僚のなり手のなさは政権の末期症状を示す。とても続投など許される状況ではない。

 これ以上、首相の座に恋々とするのは復興を阻害し、被災者、国民の利益を損なう。首相はその厳粛な事実に目を向けるべきだ。そろそろ身を引く潮時である。

 

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