HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 06 Jul 2011 00:06:22 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:「節電熱中症」 我慢せず冷房も使おう:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

「節電熱中症」 我慢せず冷房も使おう

2011年7月6日

 猛暑が各地を襲い熱中症患者が続出している。一方、夏の節電が本格的に始まった。家庭でも協力が求められているが、高齢者や子供たちなど弱者の節電による熱中症は防ぎたい。

 梅雨だというのに晴れ間が続き、連日三〇度を超える暑さだ。

 総務省消防庁によると、六月に全国で熱中症で救急搬送された人は、約六千九百人になった。死者も出ている。昨年は猛暑で約千七百人の死者を出したが、搬送者数は昨年六月の約三倍にもなった。

 熱中症患者は高齢者や子供たちに目立つ。直近の一週間(六月二十七日〜七月三日)の搬送者でみると、半数は高齢者だ。子供も約一割いる。

 高齢者はのどの渇きを感じにくく、室内にいても体温が上昇して熱中症になる可能性がある。子供たちは屋外で活動する機会が多く、乳幼児は体温調節機能が弱い。体調を崩しやすい持病のある人も含め注意が必要だ。

 一方、今月から家庭でも本格的な節電が求められている。大規模停電を防ぐために節電への目配りは必要だろう。だが、心配なのは広がる「節電ムード」から、暑さを我慢してしまうことだ。高齢者や子育て家庭などでは室温が二八度を超えるようなら、迷わずエアコンなどの冷房を使ってほしい。

 被災地も暑い日が続く。エアコンを備えたプレハブを併設する避難所もあるが、エアコンのない避難所は多い。せめて扇風機の設置や水の配布、保健師の巡回などで被災者の体調への配慮が要る。

 各地の自治体も住民の熱中症に備えよう。夏の高温で知られる岐阜県多治見市では五年前から、熱中症注意情報のメール配信サービスを始めた。登録者数は当初の約三百人から昨年度は七千人を超えた。高齢者世帯には民生委員が訪問し注意を呼びかけている。

 六月に三九・八度を記録した埼玉県熊谷市は今夏から、屋外にいて体調を崩した人の救護所を市内十七カ所に設けた。中学生向けの熱中症予防講座も実施した。

 東京都は、公民館や商店街の空き店舗を住民の日中の避難場所に活用する市区町村への補助事業を始めた。一カ所に住民が集まることで、熱中症予防と節電効果を狙った。各自治体もこうした対策に知恵を絞るべきだ。

 節電のために健康を害したり、命にかかわる事態になってはならない。地域で弱者を見守る配慮をしたい。

 

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