HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 05 Jul 2011 21:09:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:復興相発言 寄り添う心を感じない:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

復興相発言 寄り添う心を感じない

2011年7月5日

 松本龍復興担当相(60)が東日本大震災の被災地復興をめぐり「知恵を出さないヤツは助けない」と語った。激励のつもりかもしれないが、被災地に寄り添おうという気持ちを感じさせない発言だ。

 地震や津波で平穏な暮らしを奪われた人々が立ち直ろうとしている時に、この「上から目線」は何なのか。民主党議員は政権に就いて自分たちが偉くなったと勘違いしているのではないか。

 国民に寄り添うという党の理念がとっくに風化してしまったと強く感じざるを得ない発言だった。

 松本氏は三日、復興相就任後初めて、岩手、宮城両県を訪ねた。

 岩手県の達増拓也知事(47)との会談で、松本氏は「あれが欲しいこれが欲しいは駄目だぞ。知恵を出せということだ。知恵を出したところは助けるけど、出さないヤツは助けない。それぐらいの気持ちを持って」と語った。

 宮城県の村井嘉浩知事(50)との会談では、知事が提唱した水産特区について「県でコンセンサス(同意)を得ろよ。そうしないとわれわれ(政府は)何もしないぞ。ちゃんとやれ」と注文を付けた。

 松本氏は両知事よりも年長者であり、困難な状況に置かれている「後輩」を、厳しい口調で激励するつもりだったのかもしれない。

 しかし、民主党は「明治維新以来続いた中央集権体制を抜本的に改め」「国と地方自治体との関係を上下・主従から対等・協力の関係へ改める」(二〇〇九年衆院選マニフェスト)ことを目指しているのではなかったのか。松本氏の上意下達然とした発言は明らかに民主党政権の理念に反する。

 政府と地方自治体が対等な立場から協力し、いよいよ本格的な復興に取り組もうという時に、どうしてこういう発言ができるのか。

 自らの発言を「問題なかった」としていた松本氏は野党などの反発を受けて「語気が荒かったりしたとは思う」などと陳謝したが、綸言(りんげん)汗のごとしだ。国会の場で野党には追及を、松本氏には真意の説明を求めたい。

 松本氏は応接室に後から入ってきた村井氏に「お客さんが来る時は自分が入ってから呼べ。長幼の序が分かる(村井氏が所属した)自衛隊ならやるぞ。分かった? しっかりやれよ」と指摘し、「今の言葉はオフレコです。書いた社は終わりだから」とも述べた。

 書くなと威嚇すれば素直に従うと思っているのか。報道機関に対する重大な挑戦状と受け止める。

 

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