HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48681 Content-Type: text/html ETag: "ae13c-1675-93af9540" Expires: Sun, 03 Jul 2011 23:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 03 Jul 2011 23:21:37 GMT Connection: close 格安航空会社 「空」にアジアの活力取り込め : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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格安航空会社 「空」にアジアの活力取り込め(7月4日付・読売社説)

 低料金を売り物にしたアジアの格安航空会社に日本の「空」が、改革を迫られている。

 昨年の中国、マレーシア勢の乗り入れに続き、今年は韓国2社が路線を拡大した。7月中旬にさらに1社が新規就航する。アジア勢が日本市場の獲得を狙っていると言えよう。

 格安航空は世界的な潮流だ。欧米では旅客数の3〜4割を占め、アジアでも急成長している。

 単一の小型機を使い、整備時間や地上での滞在時間を短縮するなど、運航費用を徹底的に削減した分、運賃を下げる。

 中国の格安航空が打ち出した「上海―茨城4000円」などの超低価格が話題となった。

 「格安」とはいえ、運航面で大手同様の安全基準が義務付けられる点も支持されているようだ。

 料金よりサービスを重視し、高コスト・高運賃が一般的な日本では冷ややかに見る向きもある。しかし、消費者の選択肢を広げる格安航空は、日本の航空業界を活性化する可能性を持つ。

 全日本空輸などが出資する国内初の格安航空「ピーチ」が来春の就航に向けて準備を進め、日本航空も豪航空会社と共同で参入することを検討している。ようやく日本でもアジア勢に対抗する動きが出てきたことを歓迎したい。

 「ピーチ」は、斬新な機体デザインやカジュアルな乗務員の制服など、従来の航空会社のイメージを一新する戦略を打ち出した。

 関西空港を拠点に、来年3月から札幌と福岡、5月に韓国・仁川に就航する。運賃を大手の半額程度に抑え、若者層などを狙う。

 原発事故の影響で外国人観光客は急減しているが、成長が続くアジアの航空需要は大きい。

 その活力を取り込むことが、日本経済の再生に弾みをつけよう。格安航空の育成や受け入れ態勢の整備は、震災後の成長戦略の練り直しにとって重要課題である。

 欧米では、格安事業に参入した航空大手が経営に口を出し過ぎて失敗したケースもある。ピーチは安全運航を確保したうえで、全日空色を薄め、料金や路線で顧客を取り込む工夫が必要だ。

 格安航空の事業拡大には、航空行政の後押しが欠かせない。発着枠拡大のほか、空港の施設使用料や着陸料、航空機燃料税などを低く抑える支援策を求めたい。

 関空は着陸料の優遇などで成果を上げ、専用ターミナルも新設する。アジアの拠点空港は、格安航空の招致を競い合っている。日本も後れをとってはなるまい。

2011年7月4日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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