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7月4日付 編集手帳

 速記者に代わって、コンピューターの音声認識装置が衆院の議事録を作り始めた。明治の議会以降、あらゆる論戦は速記者の耳と手を通して文字になり、膨大な議事録となった◆だが、リストラで速記者採用は5年前が最後となった。将来の速記者不在に備え、衆院と音声認識の専門家が開発した装置は議員らの発言の約9割を正しい文字に変換する。上出来だ。「速記者たちの国会秘録」(菊地正憲著・新潮新書)によると、速記の極意は「心を無にする」こと。雑念のない機械に向く◆装置には、国会でよく使われる言葉を記憶した「辞書」がある。森羅万象を扱う国会では、これが変換の成否を左右する。大震災と原発事故でベントやトモダチ作戦などが追加された◆それでも装置は速記者に及ばない。同時の発言を聞き分けられないため、速記者が委員会室で「見張り」を務める。変換ミスを直し、議事録を読みやすくするのも彼らだ◆本会議や予算委員会はヤジや混乱が多いため、速記者が担う。菅首相の間近で、信を失った発言を記録する。怒りで妙手が鈍らぬよう、いつもより心を無にする自制が必要だ。

2011年7月4日01時16分  読売新聞)

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