HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48561 Content-Type: text/html ETag: "ba08d-1609-826bd000" Expires: Sun, 03 Jul 2011 01:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 03 Jul 2011 01:21:37 GMT Connection: close 南スーダン PKO部隊派遣へ検討を急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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南スーダン PKO部隊派遣へ検討を急げ(7月3日付・読売社説)

 陸上自衛隊は、東日本大震災の救難・復旧活動で高い評価を得た。

 その能力を、海外活動にも積極的に活用したい。

 北アフリカの南スーダンが9日、スーダンから分離・独立する。それに先立ち、国連安全保障理事会は、現在の国連スーダン派遣団(UNMIS)に代わる新たな国連平和維持活動(PKO)の開始を決議する予定だ。

 国連は既に、新たなPKOについて、日本に対し、陸自の施設部隊の派遣を打診している。

 世界の平和と安定を維持する努力の一翼を担うのは、日本の責務である。国際社会から様々な震災支援を受けたことへの一つの恩返しともなる。部隊派遣を、前向きに検討すべきだ。

 スーダンPKOへの参加は、20年以上に及ぶ内戦が終結した2005年以来の懸案である。08年以降は首都ハルツームのUNMIS司令部に陸自隊員2人を送り、部隊派遣の可能性を探っていた。

 南スーダン独立の是非を問う今年1月の住民投票に向けて、政府は、陸自の輸送ヘリ部隊の派遣も検討した。だが、「現地までの移動や機材の輸送が困難なうえ、ヘリの代替部品に不安がある」との慎重論から派遣を見送った。

 その後、PKOに求められる役割は、和平合意の履行から復興支援の段階へと移りつつある。

 帰属をめぐりスーダンと争っている油田地帯を除けば、南スーダンの治安情勢は、おおむね安定的に推移している。ただ、治安は変化するため、常に情報収集に努めることが大切となる。

 陸自は昨年2月以降、震災被害を受けたハイチに、施設部隊など約350人を派遣している。がれきの除去や道路の補修などで、着実に実績を上げてきた。

 陸自として、2か国へ同時に施設部隊を派遣する余裕がないのであれば、地震発生2年となる来年初めにもハイチから撤収し、南スーダン派遣に切り替えるのが現実的ではないか。

 ハイチでは、復旧・復興が進み、陸自でなく民間でも可能な土木作業なども増えている。陸自派遣に代えて、政府開発援助(ODA)を活用するのも一案だろう。

 新たな国づくりが始まる南スーダンは、道路や施設の整備が大幅に遅れており、陸自が活躍する余地は大きい。現地調査など準備に必要な期間を考えれば、派遣の検討作業を急ぐ必要がある。

2011年7月3日01時19分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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