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7月3日付 編集手帳

 東京税関には、なかなか着眼点の鋭い職員がいるらしい。1か月前に「震災の影響でミネラルウオーターと紙巻きたばこの輸入が急増中」との発表を紹介したが、今度は「5月の扇風機輸入量が昨年の1・6倍になった」という◆無論、これも大震災の影響だ。エアコンに比べて電気を使わない扇風機が引っ張りだこで、月間輸入量は過去最高の321万台に。節電意識の高まりは喜ばしい◆先週日曜の読者投稿欄・気流のお題が「扇風機」だった。特に印象深く読んだのは、東京本社版に埼玉県の80歳男性が寄せた「質素と我慢に徹した明治生まれの父」の思い出だ◆1961年のやはり猛暑、病床の父のために扇風機を手に入れ、喜んでくれたのはよいが、〈「つけっぱなしは電気代がもったいない」とこまめにスイッチを切っていたのには恐れ入った〉◆団扇(うちわ)から扇風機へ、扇風機からエアコンへ。世代が下るごとに電気と快適を当然視し、贅沢(ぜいたく)になったものである。せめて昭和くらいに戻ってみよう。もちろん高齢者や闘病中の方などは絶対に無理をなさらぬように。明治の美徳を(あが)め過ぎるのもいけません。

2011年7月3日01時17分  読売新聞)

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