HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 01 Jul 2011 03:09:20 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:広い世界だ。例えば、ほぼ年中、雪や氷に閉ざされた厳しい土地…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年7月1日

 広い世界だ。例えば、ほぼ年中、雪や氷に閉ざされた厳しい土地もある。だが、そこにも、営々と生活を続けている人々がいる▼そんなリポートをテレビで見て、こう思ったことはないだろうか。「どうしてまた、そんな大変な場所で暮らすのか」と。大震災以後、分かってきたのは、その答えは、多分、私たちの中にあるということだ▼その余震もかなり減ってきたと思っていたら、昨日朝、今度は、長野県中部で大きな地震が起きた。思い出したのは先日のカタルーニャ国際賞授賞式での作家村上春樹さんのスピーチだ▼大震災について語る中で、日本人は<言うなれば、地震の巣の上で生活を営んでいるようなもの>と表現。そして、こんな疑問を抱かれるだろうと語った。<どうしてそんな恐ろしい場所で、それほど多くの人が当たり前に生活していられるのか?>(共同)▼広い世界には、例えば、地球温暖化による海面上昇に苦しむ厳しい土地もある。だが、私たちはもう、「どうして?」などと軽々しく思うことはないだろう。大震災による地盤沈降で、陸だった所が海になってしまうことの恐ろしさも哀(かな)しさも知っている▼遠い世界の、他人事に見えていたことが、実はそうではないと悟る。もしも「3・11」以後、私たちの視野が少し広がった面があるなら、少なくとも、それは、悪いことではないだろう。

 

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