HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 25 Jun 2011 03:09:49 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:株主総会 国民への説明も大切だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

株主総会 国民への説明も大切だ

2011年6月25日

 三月期決算企業の株主総会が来週ピークを迎える。東日本大震災への対応や不祥事対策、成長戦略などが焦点となる。経営者は株主だけでなく国民にも説明して企業への信頼度を高めてほしい。

 千七百社を超える三月期決算企業のうち半数以上の約九百五十社が二十八、二十九両日に株主総会を開く。三月十一日の大震災は原発事故と電力不足、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断など各社の経営に多大な損害を与えた。

 国内最大のメーカー・トヨタ自動車は十七日の総会で震災で縮小した国内外の生産が来月から順次、計画水準に戻ることを表明。海外生産拡大を懸念する株主からの質問に対しては、「できるだけ日本のものづくりを守っていく」と“国内重視”を強調した。

 最大の注目企業が東京電力だ。被災直後、福島第一原子力発電所は危機的状態に陥り現在も見通しが立っていない。避難した住民は十数万人に達し地域社会は崩壊した。日本製品の輸入規制や訪日外国人観光客の激減など、「安全な日本」を著しく傷つけた。

 二十八日の総会では株価急落から上場廃止の可能性、巨額な損害賠償など経営責任が厳しく問われよう。賠償問題では国の支援と資金調達の見通しを含めた明確な説明が重要だ。すでに社長交代を決めたが、原発事故への長期態勢づくりが緊急課題である。

 また同社や中部電力などの総会で「脱原発」を定款に明記することを求める株主提案も行われる見込み。可決されない公算が大きいが、原発の安全性確保で国民に向けた説明が不可欠だ。

 このほか三菱商事が百億円の「復興支援基金」を創設したり、ヤマトホールディングスが宅配事業から約百三十億円の寄付金を拠出する計画。日産自動車は株主懇談会を見送り、その費用を被災者支援に充てるという。こうした社会貢献は大いに歓迎したい。

 不祥事では、傘下のみずほ銀行が大規模なシステムトラブルを起こしたみずほフィナンシャルグループ、全世界で最大一億件もの個人情報が流出したソニーなどが経営責任を問われる。

 企業は真摯(しんし)な経営に努めなければならない。経済広報センターの調査によると、企業活動を「信頼できる」と答えた人は51%で「信頼できない」の11%を大幅に上回った。ただ調査時点は昨年末。経営者が大災害などから逃げていては国民の信頼は取り戻せない。

 

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