HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39004 Content-Type: text/html ETag: "adac9-1677-8056fc00" Expires: Thu, 23 Jun 2011 22:21:36 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 23 Jun 2011 22:21:36 GMT Connection: close 首相沖縄訪問 「普天間」移設前進へ汗をかけ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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首相沖縄訪問 「普天間」移設前進へ汗をかけ(6月24日付・読売社説)

 米軍普天間飛行場の固定化を避けるため、政府は、もっと真剣に努力する必要がある。

 菅首相が「沖縄慰霊の日」の23日、久々に沖縄県を訪問し、仲井真弘多知事と会談した。ところが、知事によると、普天間など米軍基地問題の話は出なかったという。

 21日の日米安保協議委員会(2プラス2)で、普天間飛行場を名護市辺野古に移設すると再確認したばかりだ。ゲーツ国防長官は、普天間問題の「1年以内の具体的な進展」を日本側に求めた。

 それを知事と語らずして、菅首相は一体、普天間問題に真面目に取り組む気があるのだろうか。

 首相は就任以来、沖縄を3回訪問している。昨年の慰霊の日には、仲井真知事に辺野古移設への協力を求めたが、知事は「極めて厳しい」と答えるにとどまった。

 当時は辺野古移設を全否定しなかった知事がその後、県外移設に転じるのを、首相は無為無策で傍観していたわけだ。壮大な目標を掲げながら、具体的な努力もせず、解決を先送りにする菅政権の体質がここにも表れている。

 普天間返還の日米合意から15年がたつ。名護市などの北部振興事業だけで800億円以上が使われた。積み重ねた公費と努力を水泡に帰すことは許されない。

 北沢防衛相は、鳩山前政権が一時、県外移設を模索したことなどによる「時間のロス」を「政権交代に基づく民主主義のコストだ」と弁明したが、耳を疑う。

 状況の悪化は、「時間のロス」で済まない可能性がある。政権交代を理由に、これほど重大な失政を正当化できるはずがない。

 辺野古移設が行き詰まれば、普天間の現状が固定化されるだけでなく、海兵隊8000人のグアム移転も見直される恐れがある。沖縄にとって、歴史的な基地負担軽減の機会を逃しかねない。

 2プラス2では、普天間飛行場など県南部の米軍6施設の返還を着実に実施することを再確認している。政府は、施設返還の段取りを極力早く示し、その跡地利用について沖縄県と協議すべきだ。

 政府は、今年度限りの沖縄振興計画を延長したうえ、新計画の策定主体を沖縄県とし、使途を限定しない一括交付金の導入を検討している。地元の要望を尊重して信頼関係を再構築し、普天間問題を前進させることが重要だ。

 米軍基地の返還を、基地依存型経済を脱却するための新たな振興策につなげる発想で、政府と沖縄県は話し合ってはどうか。

2011年6月24日01時22分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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