HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39109 Content-Type: text/html ETag: "fe341-1661-1ea6fb40" Expires: Sat, 18 Jun 2011 03:22:12 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 18 Jun 2011 03:22:12 GMT Connection: close 局地放射能汚染 不安軽減へきめ細かな対応を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


現在位置は
です

本文です

局地放射能汚染 不安軽減へきめ細かな対応を(6月18日付・読売社説)

 福島第一原子力発電所の事故では、避難対象地域の外側でも、局地的に放射線量の高い場所が確認され、住民たちに不安が広がっている。

 政府は、現在の汚染測定体制を拡充し、実態の把握と対策を急がねばならない。

 こうした局地汚染は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故でも起きた。現場から数千キロ離れた地点で見つかった例もある。

 事故で漏れ出した放射性物質が風に乗って、地形や風向き、降雨により、狭い範囲に降下することが原因といわれる。

 今回も、政府の汚染測定が福島第一原発の周辺だけでなく、遠隔地まで及ぶようになって、局地汚染が相次いで見つかり始めた。

 チェルノブイリと同じく、膨大な量の放射性物質が漏出した福島の事故は、国際尺度で最悪の「レベル7」に認定された。

 福島県や、その隣接県にとどまらず、首都圏でも身近に汚染地点があるのではないか、と心配する住民は少なくない。きめ細かく汚染実態を公表することが、不安を軽減する一歩になる。

 東京など首都圏でも、市区町村が独自の放射線測定に乗り出している。住民が自ら測定する例も増えているようだ。

 だが、放射線量を聞いただけで安全かどうかを判断するのは容易ではない。政府、自治体は、測定地点や頻度の拡大に加え、住民への情報提供や、相談に応える体制の構築も検討すべきだ。

 一口に「局地汚染」と言っても濃淡には差がある。多いのは、今回の事故前と比べて、放射線量がわずかに増えた地点だ。

 日本では、普通に生活していても、平均で年間約1・5ミリ・シーベルトの放射線を浴びる。ブラジルやインドには、この約10倍を浴びる地域もある。小さな値の差に、過敏になる必要はない。

 難題は、高いレベルの局地汚染だ。福島県内では、政府の調査で年間線量が20ミリ・シーベルトを超える恐れがある地点が、計4か所見つかっている。住民が避難している計画的避難区域に匹敵する汚染だ。

 政府は、こうした地域でさらに精密な調査を実施し、1軒ごとに汚染状況を判定して「特定避難勧奨地点」を指定する方針だ。

 指定地点では、例えば、庭の汚染土を入れ替えるなどの汚染除去作業を検討する。それが難しい場合は避難などを支援する。

 その仕組みを早急に固め、対象となる住民の不安に、きめ細かく対応することが大切だ。

2011年6月18日01時45分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です