HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37557 Content-Type: text/html ETag: "f4e3c-1248-8eba48c0" Expires: Thu, 16 Jun 2011 22:21:36 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 16 Jun 2011 22:21:36 GMT Connection: close 6月17日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


現在位置は
です

本文です

6月17日付 編集手帳

 これから住むことになる小屋に電気がないと知って、「電気がなかったら暮らせませんよ」と子供が口を(とが)らす。「そんなことないですよ」と父親が諭す◆「夜になったらどうするの!」「夜になったら眠るんです」。都会の生活を捨てて北海道・富良野の森に移り住んだ家族の物語――倉本聰さん脚本のテレビドラマ『北の国から』である◆東日本大震災を特集した季刊誌『富良野自然塾カムイミンタラ』の最新号に、監修者の倉本さんが「ヒトに問う」と題する文章を寄せている。ここにも、“夜になったら”の問答がある◆町が暗いのは危険ではないか。「危険と思えば外へ出なければ良い」。その夜にも仕事がある。「そんな仕事は作らなければ良い」…。このいわば暴論を通して倉本さんは、夜は暗く、夏は暑く、冬は寒い“あたりまえ”のことを〈敵にし征服しようという敵意に満ちた挑戦〉はもうやめにしようと訴えている◆提言や提案には、「従う」「却下する」のほかに「トゲとして胸に刺しておく」という応接もある。日常の起き伏しには、倉本さんからもらったトゲがうずく時もあるだろう。

2011年6月17日01時13分  読売新聞)

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です