HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39332 Content-Type: text/html ETag: "a39f4-1722-6210bfc0" Expires: Wed, 15 Jun 2011 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 15 Jun 2011 01:21:40 GMT Connection: close 民主党処分 これでは「けじめ」と言えない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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民主党処分 これでは「けじめ」と言えない(6月15日付・読売社説)

 これでは政党としてのけじめもつくまい。

 民主党が、菅内閣不信任決議案の採決を欠席・棄権した衆院議員15人の処分案を決定した。

 小沢一郎元代表ら8人は3か月の党員資格停止、当選1回の5人は厳重注意で、医師の診断書のある2人は処分なしだった。

 3か月の党員資格停止は、事実上、「ポスト菅」の党代表選の投票権を失うことを意味する。

 しかし、政治資金規正法違反で強制起訴された小沢氏は既に、裁判の判決が確定するまで党員資格が停止されている。実質的な追加処分はないに等しい。

 内閣不信任案採決時の造反は与党議員にとって重い意味を持つ。特に、小沢氏は公然と菅首相に退陣要求したうえでの欠席だ。

 岡田幹事長は当初、もっと厳しい処分を検討していたが、党内の反対に屈し、極めて甘い処分にせざるを得なくなった。

 国益を損ねても、選挙で負け続けても、誰も責任を取らないし、取らせない。けじめをあいまいにするのが民主党の体質なのか。

 造反した小沢系議員らに厳正な処分をすることは、執行部にとって、小沢系議員らが反対する政権公約(マニフェスト)の大胆な見直しを行うための試金石だったが、それに(つまず)いたことになる。

 民主党は先週、「マニフェスト検証委員会」の初会合を開き、2009年衆院選の政権公約や10年参院選公約の達成度に関する点検作業をようやく開始した。

 民主党政権の誕生以来、1年9か月近くになる。本予算を2回組んだが、財源不足に加え、政権の非力さなどから公約の破綻はもはや決定的になっている。

 今さら、誤った政権公約の進捗(しんちょく)状況を点検しても仕方がない。自民党などとの大連立の前提条件となる公約の抜本的な見直しに踏み出すことが求められる。

 東日本大震災からの復興に巨額の費用を要することを踏まえれば、子ども手当、高速道路無料化などのバラマキ政策の撤回と一定規模の増税は不可欠である。

 今、公約見直しを躊躇(ちゅうちょ)すれば、「ポスト菅」政権が与野党連携の下での強力政権になることはない。大連立に至らずとも、閣外協力や部分連合も期待できない。

 衆参ねじれ国会の下、日本政治が再び停滞する。そんな不毛な事態が繰り返されることは、ぜひとも避ける必要がある。

 検証委員会は早急に、公約の具体的な見直し案をまとめ、党内の了解を取り付けるべきだ。

2011年6月15日01時17分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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