HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39306 Content-Type: text/html ETag: "b7d69-1625-4f6e06c0" Expires: Mon, 13 Jun 2011 23:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 13 Jun 2011 23:21:38 GMT Connection: close 復興提言骨子案 より踏み込んだ青写真を示せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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復興提言骨子案 より踏み込んだ青写真を示せ(6月14日付・読売社説)

 震災からの復興で肝心なのは、地域の実情と住民の意向を適切に反映することだ。政府は、自治体の主体性を尊重し、支援する必要がある。

 有識者による復興構想会議が、6月末にまとめる第1次提言の骨子案を示した。

 骨子案は、復興の担い手を「市町村」と定め、復興特区制度の創設の検討を促した。政府には、被災した平野部、小規模集落など、六つの地域類型ごとに復興のメニューを示すよう求めている。

 この方向性は正しい。津波に備え、海岸部から高台に集団移転するかどうか。新たな町づくりで何を優先するか。その判断には地元住民の意思が肝要だ。政府は、あくまで助言する立場だろう。

 大切なのは人材の確保だ。自治体による復興計画の策定を支援するため、政府は、政府職員や民間の専門家を派遣してはどうか。

 小規模自治体は、財政支援が担保されないと、計画を作れない。政府は、どの程度の予算を拠出するのか、明確に示すべきだ。

 骨子案は土地利用について、農地と宅地の交換を円滑に進める仕組みなどを「検討」するとの表現にとどめた。漁業再生でも「民間資本の積極的な導入」を掲げたが、具体策には言及していない。

 被災者が期待しているのは、抽象論ではなく、より具体的な復興の青写真だ。さらなる内容の肉付けに全力を挙げてもらいたい。

 財源について骨子案が、増税の必要性を打ち出したのは責任ある態度だ。ただ、消費税、所得税、法人税など「基幹税を中心に」とし、具体策への言及を避けた。

 国民全体で復興を支え、復興費用が巨額に上ることを考えれば、消費税率引き上げは欠かせない。政府が、税制全体の改革と合わせて結論を出すべきだ。

 懸念されるのは、菅政権が不安定化する中、政府が提言を実行に移す道筋が不透明なことだ。

 復興基本法案が成立すれば、復興構想会議は、首相の私的諮問機関から法律に基づく組織へ格上げされ、提言は重みを増す。

 首相と全閣僚による復興対策本部が提言を受け、増税をどう決断し、復興策をいかに具体化するか。官僚組織や与党が一丸となって支える態勢が整備されるのか。

 特区や財源問題に迅速に対応するにも、与野党の協調体制の構築が重要だ。菅首相は、早く後継に仕事を引き継がねばならない。

2011年6月14日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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