HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 08 Jun 2011 23:09:58 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:子ども手当 息の長い支援策つくれ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

子ども手当 息の長い支援策つくれ

2011年6月9日

 九月に期限が切れる子ども手当制度の将来像が決まらない。民主党内の意見集約ができず、与野党協議も遠のいている。このままでは子育て家庭の負担が増える。恒久制度をいつまで待てばいいのか。

 子ども手当をめぐるこれまでの経緯を見ていると、政治の“育児放棄”と言わざるを得ない。

 民主党は、子ども手当を含むマニフェスト見直し作業の再開をやっと決めた。自民、公明両党など野党が、二〇一一年度予算執行に必要な公債発行特例法案成立の条件に、手当撤回を迫っているからだ。

 政府は当初、中学生まで月額一万三千円の給付を、一一年度は三歳未満児については月額二万円にする手当法案を提案した。

 これに野党が反発したため、九月まで現行法を延長させるつなぎ法案を提出してしのいだ。

 民主と自民、公明両党は与野党協議開催には合意した。民主党は、所得制限を設け、中学生まで月額一万円支給する公明党案を軸に調整する考えだ。だが、民主党内の意見集約が進まない。対決姿勢が強まると、野党は手当撤回を特例法案成立の交換条件にした。つなぎ法が切れる今年十月以降の制度は、今もはっきりしない。

 一一年度当初の手当法案には、緊急の待機児童対策などの交付金も含まれていたが、法案を取り下げたため宙に浮いたままだ。子育て家庭を不安にさせている。

 このままつなぎ法が切れると、前の児童手当制度に戻る。子育て家庭は、所得税などの年少扶養控除廃止で今年から増税となる。

 厚生労働省が月額一万円支給の場合と従来の児童手当額との比較を試算した。夫婦に子供一人家庭の場合、所得制限の有無に関係なく三歳未満児や小学生の家庭の多くで手取り額がマイナスになる。三歳未満児家庭では例えば年収八百万円世帯で年間最大約十万九千円減る。子育て支援の制度が、逆効果になるのは本末転倒だ。

 ある就職説明会に来ていた母親(35)は「金額の多寡より制度が変わることの方が困る。細く長く続く制度を」と切望する。

 「子育てを社会で支える」理念は大切だ。自民党は子ども手当などを「バラマキ4K」と批判するが、高速道路の無料化などと同列に扱うのは乱暴ではないか。

 野党も子育て支援の充実は選挙公約に掲げている。与野党とも財政に配慮した給付額や控除廃止による制度の矛盾解消に腐心し、安定した制度を早く整えるべきだ。

 

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