HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39409 Content-Type: text/html ETag: "a772b-15eb-783e3f80" Expires: Mon, 06 Jun 2011 01:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 06 Jun 2011 01:21:06 GMT Connection: close 青森県知事選 原発の信頼回復の足がかりに : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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青森県知事選 原発の信頼回復の足がかりに(6月6日付・読売社説)

 原子力の安全性が確保されるのであれば、国策への協力を続けていい。青森県民はそう選択したと言えよう。

 青森県知事選で、原子力発電所の新設を条件付きで容認する、自民、公明両党推薦の現職三村申吾氏が、民主、国民新両党推薦の山内崇氏らを大差で破って、3選を果たした。

 青森県は、東日本大震災の被害を受けた。東京電力福島第一原発の事故は、下北半島に原子力施設が集中する青森県内にも不安を広げている。

 既設は、東北電力東通原発1基だが、建設・計画中は4基と全国で最も多い。4月の余震では、東通原発への外部電源が一時止まった。六ヶ所村には、原発の使用済み核燃料を再利用するための再処理工場もある。

 原子力政策が、知事選の争点の一つとなったのは当然だ。

 三村氏は、「安全なくして原子力なし」と主張した。原発などの安全対策を検証する専門家委員会を設けることで、県民の懸念払拭に努めたいとの考えを示した。

 三村氏の2期8年間の実績に加え、原子力の安全対策を重視する現実的な姿勢が支持されたのだろう。「計画中の原発凍結」を訴えた山内氏は、及ばなかった。

 大震災後、原発が立地する北海道、福井、島根、佐賀の各知事選では、原子力政策が勝敗を決する争点にならなかったにせよ、原発を容認する現職が当選した。

 懸念されるのは、菅首相の要請で静岡県の中部電力浜岡原発が停止した後、全国で原発の安全性に不信感が高まっていることだ。

 政府と電力各社は、原発の安全対策の見直しを急ぎ、確実に実施していかねばならない。

 万一の事故に備えた原発周辺住民の避難体制も再検討すべきだ。定期点検後の原発の運転再開に向けた環境を整える必要がある。

 民主党は最近、地方選で敗北を重ねている。菅政権の失政や迷走が影響しているのだろう。

 菅政権には、原発事故対応や震災復興を任せられないと考える人も少なくない。

 読売新聞の先週末の世論調査で「原発事故をめぐる政府の対応を評価しない」とする人は73%に達した。64%が、政府の復興対応を「評価しない」と答えた。

 有権者の厳しい視線が、地方選での民主党の退潮を加速させていると見るべきだ。

2011年6月6日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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