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6月1日付 よみうり寸評

 〈ふるさとはよし夕月と(あゆ)の香と 桂信子〉――6月到来。獅子文六はこの月を鮎の月と呼んだ◆著書「食味歳時記」に「どこの鮎が一番ウマいかという問題は、結局お国自慢に終わるのだけど……」と書いた。冒頭の句も鮎の香でふるさとを礼賛している◆文六先生には〈鮎と蕎麦(そば)食ふてわが老い養はむ〉の句がある。大好物で「一尾の塩焼きを、頭部も、尾も、全部食べ尽くさないと、気が済まなかった」。筆者も同感で鮎の月到来は歓迎なのだが、今年の6月到来は、もうひとつ心がはずまない◆原発の事故で計画的避難区域に設定された福島県5市町村の人たちを思う。対象者1万人余。きのう5月末が避難のメドで、26日までに約8100人が応じた◆が、6月に入っても相当数の人がなお残る。避難先が見つからない人、牛を残しては去れない人……。去るも残るも、ふるさとの鮎を楽しむ心境とは遠いだろう◆政界の6月は波乱含み。衣替えの月だからでもあるまいが、菅政権への不信任案提出はどう展開する?

2011年6月1日13時56分  読売新聞)

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