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6月2日付 編集手帳

 俳人の長谷川櫂さんに、すしネタでおなじみのシャコを詠んだ句がある。〈蝦蛄(しゃこ)といふ禍々(まがまが)しくて(うま)きもの〉。ぞろっとした脚をして、なるほど醜い◆“シャコ型”政局だろう。自民など野党3党が内閣不信任決議案を衆院に提出した。提出したのは野党でも、成否のカギを握るのは与党・民主党の造反組であり、党内抗争が絡む政局の外観はシャコ以上に美しくない◆味のほうは、どうか。騒動の行き着く先が「旨きもの」になる保証はないが、原発事故をめぐる数々の不手際で菅首相の料理の腕に多くの人ががっかりしているときである。首相退陣を望む声を、見た目の醜さを理由に退けることもできない◆原発危機のさなかに首相を代える意味があるとすれば、一にも二にも「味」――必要な政策を果断に実行する救国政権がつくれるかどうかに尽きる。その道筋は必ずしも明らかでないが、まずは採決を見守るとしよう◆国語辞典をひらくと、【蝦蛄】のすぐ隣に【雑魚(じゃこ)】(ざこ。とるにたらないもの)があった。この政局は、醜くとも国民にとって美味なる蝦蛄か、ただの雑魚か、視線は行間にさまよう。

2011年6月2日01時21分  読売新聞)

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