HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 30 May 2011 22:07:22 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:リニアの耐震性 対策対応もっと詳しく:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

リニアの耐震性 対策対応もっと詳しく

2011年5月30日

 JR東海のリニア中央新幹線計画に、国がゴーサインを出した。都市部の深い地下や南アルプスの長大トンネルを超高速で走るだけに、耐震性と地震対応が気掛かりだ。十分な説明が聞きたい。

 東日本大震災を受け、国土交通省の審議会が急きょリニアの耐震性を再検証した。その結果、追加策は特に求めず、JR東海の方針を追認する形で最終答申した。

 JRの説明はこうだ。東海道新幹線と同様、地震の初期微動を検知し緊急停車する。車両を誘導する側壁が両側にあるため脱線しない。停電しても電磁力で車体は浮いた状態を保つ。

 審議会も、震災で東北新幹線に高架橋の倒壊など深刻な被害がなかったことを評価。阪神大震災後に強化された耐震基準で設計されるリニアの安全性に“お墨付き”を与えた。東海地震に備え、東海道新幹線の代替路線として早期実現が必要、日本経済復興の一助になる、とも言及した。

 企業と国で作られた「安全神話」のように聞こえはしないか。「絶対に安全」とされてきた日本の原発が、巨大地震と大津波でレベル7の世界最悪の事故を起こしたことを思うと、なおさらだ。リニアが原発と同じとは言わないが、人命を預かる以上、安全第一でなければならない。災害時の対応についてまだ情報が少ない。

 東京−名古屋間の南アルプスを貫く直線ルートは約八割がトンネル。深さ数十メートルの都市部地下は直下型地震に耐えうるのか。フォッサマグナの横断に支障はないのか。想定外はないのだろうか。

 JR東海の計画では長時間にわたって停電した場合、五〜十キロ間隔の立て坑や斜坑を脱出経路とする。停電でも地上へのエレベーターは動くのか。運転士がいないリニアに乗員は何人乗り込み、最大千人の乗客をどう誘導するのか。綿密な脱出マニュアルを作り、国民に示してほしい。

 沿線各自治体の財政負担が課題の途中駅について、最終答申は国の関与を盛り込んだ。

 避難拠点と考えれば国、地元、企業による合理的な解決策が見つかるかもしれない。安全とは、歴史がつくるもの。信頼の実績を積み重ねてほしい。

 JR東海は環境影響評価を経て二〇一四年度着工を目指す。二七年に先行開業する東京−名古屋間は時速五百キロで四十分、その後延伸される東京−大阪間は六十七分で結ぶ。安全・安心を乗せた「夢の超特急」の実現を期待したい。

 

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