
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38933 Content-Type: text/html ETag: "15cfb0-15bb-1e1b7c80" Expires: Wed, 25 May 2011 22:22:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 25 May 2011 22:22:08 GMT Connection: close
![]() 東北の水産業 大胆な改革で沿岸漁業再生を(5月26日付・読売社説)東日本大震災で、東北から関東にかけての太平洋岸の水産拠点は大打撃を受けた。 この際、単なる復旧ではなく、高齢化や後継者不足などで衰退する全国の水産業の再生モデルとなる改革に取り組むべきである。 巨大津波に襲われた地域では、約320の漁港、約2万隻の漁船が破損した。魚市場や流通加工施設といった基盤がほとんど失われたケースも目立つ。被害額は約9000億円にのぼる。 宮城県・気仙沼や岩手県・大船渡などは、全国からカツオ、マグロ漁船を受け入れている。こうした遠洋、沖合漁業の中核漁港の再開を急ぐ必要がある。 国や地元自治体が連携し、岸壁の修復工事や海中のがれき撤去などを加速すべきだ。 多くの漁業者が従事する沿岸漁業の再建も重要な課題である。 カキやホタテなどの養殖や、サバやイワシなどを取る定置網漁といった沿岸漁業は、家族単位の零細経営が大半だ。 これが大津波の直撃を受け、養殖施設や船を失って廃業を迫られている事例が多い。 こうした沿岸漁業を再興するには、発想の転換が求められる。 個人や企業の新規参入を促すため、地元漁協に優先的な操業を認めている現行制度を見直すべきではないか。 宮城県が、政府の復興会議で打ち出した「水産業復興特区」構想は、検討に値するアイデアだ。 まず漁業法などの関係法令を改正し、被災地に特区を新設する。特区では、漁獲や加工・販売を手がける民間企業に対し、漁業権の獲得を容易にする。 外部の活力を導入することで、沿岸漁業を立て直し、若者の雇用拡大にもつなげるのが狙いだ。 この構想に対し、地元漁協の一部には、自らの権利が侵されることを警戒し、「共同体としての漁村の良さが失われてしまう」などと反発する声もある。 だが、閉鎖的な体質を改めなければ、沿岸漁業の衰退には歯止めがかかるまい。 既得権に固執せず、地域の水産業振興に向け、意識を改革すべきだろう。 行政と漁業者が将来を見据えて議論を尽くし、解決策を探ってほしい。日本の魚食文化を守り、水産業の復興に弾みをつける知恵が問われている。 (2011年5月26日01時22分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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