HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38887 Content-Type: text/html ETag: "adfa1-1623-af300840" Expires: Fri, 20 May 2011 01:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 20 May 2011 01:21:40 GMT Connection: close GDPマイナス 震災不況の回避に全力挙げよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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GDPマイナス 震災不況の回避に全力挙げよ(5月20日付・読売社説)

 震災のショックで、日本経済の成長に急ブレーキがかかっている。

 今年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)は年率で3・7%減と、2四半期連続でマイナス成長となった。市場の予想は2%減程度だったが、実際はそれより大きかった。

 景気は年明けから持ち直していたものの、結局、2期連続で消費はマイナスとなり、設備投資も6期ぶりに減少した。内需の二本柱の不振に加えて、輸出の低迷で頼みの外需も水面下に沈んだ。

 景気の一時的な落ち込みはやむを得ないが、長引くと消費や雇用が一段と冷え込み、本格的な震災不況に陥る恐れがある。官民が全力を挙げ、景気の早期回復を図らなければならない。

 震災で多くの工場が被災し、自動車や電機など幅広い業種で生産が停止した。直接の被害はなくても、部品が手に入らず、生産ラインを止めたケースも多い。

 小売店では販売すべき商品が不足して、自動車の売り上げなどが急減した。

 自粛ムードによる買い控えや、首都圏の計画停電に伴う商店などの営業時間短縮も、消費を冷え込ませる要因となった。

 焦点は回復に転じる時期だが、生産活動の正常化は秋以降とされ、4〜6月期も引き続きマイナス成長になるとの見方が多い。

 企業は、生産体制の復旧に最大限努力してもらいたい。

 夏の電力不足が減産を招く懸念も強い。自動車業界は、木曜と金曜の操業を電力需要の少ない土日に移行する方針を決めた。一定の効果が期待できそうだ。

 産業界をあげて知恵を絞り、安定した生産と節電の両立に取り組んでほしい。

 企業の3社に1社は、今年度の業績が減収減益になると予想している。企業の利益が減れば、いずれ賃金抑制や投資の手控えで、雇用環境は悪化しかねない。

 岩手、宮城、福島の東北3県では早くも、震災による失業者が10万人を超えた。「震災倒産」も全国で100件を超え、さらに増える見込みだ。雇用対策の拡充が欠かせまい。

 頼みの「復旧・復興需要」も、阪神大震災の時より立ち上がりのペースが遅れている。被災地では、がれきの8割ほどが未撤去で、道路や港の復旧作業も思うように進んでいないためだ。

 復興事業を軌道に乗せ、景気浮揚を図るために、国と県、市町村は連携を強化すべきだ。

2011年5月20日01時41分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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