HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38950 Content-Type: text/html ETag: "1682c0-161e-1c29e0c0" Expires: Wed, 18 May 2011 21:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 18 May 2011 21:21:05 GMT Connection: close 観光の再興 「日本は安全」をPRしたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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観光の再興 「日本は安全」をPRしたい(5月19日付・読売社説)

 震災と原発事故で、日本の観光産業は大きな打撃を受けている。

 行き過ぎた自粛ムードは薄れつつあるが、旅行を控える人はなお多く、外国人観光客も激減している。

 このままでは、観光立国で経済を活性化させるという成長戦略は大きく揺らぐ。

 日本のイメージを回復させ、海外からの観光客を呼び戻すためには、政府と民間が力を合わせて観光再生を目指す必要があろう。

 今年の大型連休は、「安・近・短」型と言われ、近場の観光スポットが人気を集めた。

 首都圏では箱根や日光などが健闘したが、東北をはじめ多くの観光地は、にぎわいを取り戻すまでには至らなかった。

 日本三景の一つ、宮城県松島町は連休中、湾内を巡る観光船を再開した。それでも来客数は例年の4分の1程度だった。

 東北、関東を営業エリアとするJR東日本も、利用実績が前年より3割落ち込んだ。

 深刻なのが外国人観光客だ。3月の来日客数は約35万人と、1年前に比べ半減した。団体ツアーや国際会議、イベントなどのキャンセルも相次いでいる。

 原発事故を巡る東京電力や政府の対応が海外で不信を招き、今もそれが尾を引いている。

 まずは事故の現状や収束への道筋について、正確な情報を発信することが大事だ。そのうえで、各観光地が安全であることをアピールすべきである。今月末に開かれる日中韓の観光相会合は、そのチャンスではないか。

 旅行は口コミの効果が無視できない。海外のメディアや旅行好きの人たちのブログなどで、日本の魅力を伝えてもらえるような取り組みも必要だ。

 「放射能で日本は怖い」という誤った風評を吹き飛ばすには、日本人自ら観光を楽しむ姿を見せることも効果があろう。

 航空会社が8月のお盆シーズンに初めて大幅割引を実施する。電力不足対策で、企業の夏休みが長期化することを狙った滞在型旅行も企画されている。観光業界は、旅行者を()きつけるプランや料金設定に知恵を絞ってほしい。

 東北三大祭りは8月上旬に相次いで開催される。中尊寺金色堂で知られる岩手県平泉町が新たに世界遺産に登録される見通しだ。

 東北の魅力はさらに増す。観光の再生で復興を後押ししたい。

2011年5月19日01時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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