HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38940 Content-Type: text/html ETag: "b9253-1621-26a2b900" Expires: Mon, 16 May 2011 20:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 16 May 2011 20:21:40 GMT Connection: close 金融の役割 復興を支える融資の充実を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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金融の役割 復興を支える融資の充実を(5月17日付・読売社説)

 震災から着実に復興するには、経済の血流と言われる金融がしっかり機能することが重要だ。

 被災地ではこれから、工場や店舗、住宅などの修復や再建のため、多額の資金が必要となる。地元の金融機関が、積極的に資金を貸し出すことが欠かせまい。

 被災地では銀行も経営に痛手を受けたが、それを理由に融資を渋るようでは困る。

 必要とあれば、公的資金による金融機関の資本増強もためらうべきではない。

 政府は震災後、政府系金融機関による低利融資をはじめ、中小企業の資金繰り支援策を強化した。倒産の防止などに一定の効果は期待できるだろう。ただし、とても万全とはいえない。

 リーマン・ショック後の不況で公的な保証枠を使い切り、新たな支援を受けられない中小企業も少なくない。既存の負債に加えて、事業再建のため新たな借金を抱え込む「二重ローン」も、経営の重しとなる。

 政府は被災地の要望をよく聞いて、金融支援策のさらなる充実を図ってもらいたい。

 被災地の経済活動が、復旧から復興に移行するにつれて、民間融資の役割は一層重くなる。

 地元企業と密接に付き合ってきた銀行や信金、信組でないと、地域での重要度や事業の将来性を見極めたうえでの、的確な融資審査や経営指導ができないからだ。

 とはいえ状況は厳しい。宮城、福島、岩手の東北3県を拠点とする地方銀行8行のうち、6行が今年3月期決算で赤字になる。

 被災した取引先からの融資回収が難しくなり、不良債権処理の損失が膨らんだという。

 今後、融資を拡大するには、自己資本の充実が必要となるが、業績が悪い中で、自力で多額の増資をするのは難しい。

 金融庁は、公的資金による資本増強を促すため、今国会で法改正する方針だ。

 これまで公的資金注入の条件としてきた収益計画の達成などを、被災地の銀行には義務づけないという「震災特例」を設ける。

 信金、信組が経営難に陥った場合は、経営再編などを条件に公的資金の返済を免除する。

 公的資金注入に対する民間の抵抗感はいくぶん和らごう。政府・与党は実現を急いでほしい。

 仙台の七十七銀行など公的資金の申請を決めた銀行もある。他の金融機関も、地域経済の復興のため前向きに検討してほしい。

2011年5月17日01時28分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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